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庄左ヱ門くんの冷静さにツッコミを入れたところで、私は部屋の隅で縮こまり滝夜叉丸、伊作くん、留三郎くんに宥められている小平太を見つけた。
小平太は少し顔を上げて私を見ると、ギョッとしたように目を見開いたと思ったらすぐに目線を下に落とした。
…こりゃ、放課後の事まだ気にしてるな。細かいことをは気にしないんじゃなかったのか…と言いたいが私にも非があるので黙っておこう。
隣にいる庄左ヱ門くんに『ちょっと行ってくるね』と小声で言うと手を離し部屋の中に入る。
そしてゆっくりと小平太に近付き、彼の目の前に正座をした。
小平太は大きな体をこれでもかと縮こめている。普段は豪快で何事にも大雑把で陽気な彼にもこんな面があるのかと思うと少し可笑しく可愛く思える。
小平太『…A』
「ん?」
小平太『…私が悪かった』
「うん。小平太がきちんと反省しているの分かってるよ。それに私はもう怒ってないから。…私も少し言い過ぎちゃったね。クソ力は言い過ぎだよね、ごめんね」
留三郎『いや、クソ力だろ』
伊作『留三郎…!』
小平太『…私を許してくれるのか?』
「許すも何も…あの後からもう怒ってないってば。はい、じゃあ仲直り?しよ」
そう言って私は小平太に右手を差し出す。
すると小平太は両手をバッと広げて私に思いっきり抱き着いてくる。
突然の出来事に身構えていなかった私は小平太もろとも後ろに倒れてしまった。
滝夜叉丸『な、七松先輩!』
留三郎『おい小平太!Aが潰れる!』
「こ、小平太…く、くるしぃ…!」
彼の重みが体にのしかかり背中をバンバン叩くがビクリともしない。
小平太『…もう口も聞いてもらえないと思った』
耳元でポツリと呟かれた言葉に背中を叩く手を止める。
彼らしからぬ弱々しい声と言葉に胸がぎゅうっと苦しくなった。
そして今度は子供をあやすように背中をポンポンと優しく叩いた。
「そんなこと気にしてたの?そんなわけないじゃん。…私は小平太の細かいことを気にしないで突き進んでいく精神、好きだよ」
小平太『本当か?!じゃあもう気にしない!』
バッと腕を立て私から離れるといつもの笑顔を見せてくれる小平太。
安心しているのも束の間、押し倒されているということに気付いた私は少しずつ羞恥を感じ始める。
「あ、あの、小平太?」
小平太『なんだ?』
「この格好恥ずかしいんだけど…」
小平太『まぁ、細かいことをは気にするな!』
そこは気にして!!!!
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りっか(プロフ) - のんさんさん» いやーー!!www 嬉しいけど恥ずかしいw 文次郎もやっぱ直ぐ顔真っ赤にしそうw女の子慣れして無さそうだもんなぁ、鍛錬馬鹿だから(笑)好きって言われて私も嬉しい好き(違う) (2022年12月4日 21時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
のんさん(プロフ) - 1からまた見てるんだけどヤバい文次郎の扱いめっちゃ面白すぎるww 43〜4とかww留三郎のくだりめっちゃ好きww (2022年12月4日 19時) (レス) @page45 id: fe8741111e (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 待っていただきありがとうございます(*´∇`*)ありきたりな平凡回ですけど夢主様を愛する気持ちは負けていないと思うのでどうぞ最後までお楽しみください♡ (2022年2月7日 15時) (レス) @page39 id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 今回もお話し待ってました!! 夢主愛され最高💕 続き待ってますね (2022年2月7日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 最高の褒め言葉ありがとうございます(*´∇`*)私も毎日どうやったら忍たまの世界に行けるかどうか悩んでます(大真面目)まぁ、行ったところでこんなに愛される訳が無いんですけど夢くらい見たいですよね!!w 推しに会うだけでも良いですもんね!!これからも頑張ります! (2022年2月5日 18時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年2月1日 20時