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腕を組んで暫く考え込む。そして閃いたと言わんばかりに人差し指を立てたあと、懐から棒手裏剣を取り出す。
「あの…それじゃ、この棒手裏剣の打ち方教えて頂けませんか…?」
雑渡さんを見ながらおそるおそる尋ねる。
すると彼はそんなことで良いのかと言わんばかりに目を軽く見開いたあと、『ふっ』と目を細め私に手招きをした。
雑渡『…いいよ。おいで、教えてあげる。尊奈門はこの子達の面倒をよろしく』
諸泉『えぇ?!またですか!?』
「すみません…諸泉さん。今度なにかお礼をしますのでお願いします」
諸泉『…っ、分かりました。貴女がそう仰るのであれば』
諸泉さんにみんなをお願いして私は雑渡さんの後をついて行く。
他のタソガレドキ忍軍の皆さんからの視線が少々痛いが気にしたら負けな気がしてなるべく目線は下へ向けて歩いていた。
演習場所の邪魔にならない所へ来ると、雑渡さんは1本の木に手裏剣の的を貼り付けた。
雑渡『君の持っている棒手裏剣をもう一度見せてもらえるかな?』
「あ、はい」
雑渡さんに棒手裏剣を差し出す。
雑渡『四角棒手裏剣か。まぁ、一番無難だろうね。棒手裏剣の射程距離は普通は一丈から二丈だから…今君がいるところくらいかな』
私と木の間の距離は3mくらい。
一丈が3mてことは射程距離は3mから6mか。
「射程距離、結構短いんですね」
雑渡『手裏剣は飛びそうで意外と飛ばない武器なんだよ。あくまで牽制目的だからね。殺傷能力も低いし。刃先に毒を塗っているなら話は別だけど』
「へぇ〜…そうなんですね。勉強になります!」
雑渡『忍術学園の先生に学んだりしないの?』
「そうしたいのはやまやまなんですけど、皆さん毎日お忙しそうなので…」
毎日忙しそうにしている先生方を見ているので、普段はもちろん声をかけにくい。そしてお休みの日も出来れば休んで欲しい。
だから自主的に学べるとしたら図書室の本を読むくらいしか出来ないんだけど、やっぱり本だけの知識じゃ分からないところがある。
雑渡『ふぅん。じゃあ、今度から暇な時は忍術学園に行こうかな』
「え?遊びに来られるんですか?」
雑渡『違うよ。君に忍術を教えに行くの』
目を細めて私を見つめる雑渡さん。
表情が読み取れないから本気なのか冗談なのか分からない。
「えっと…」と言って首を傾げていると『あ、冗談じゃないよ』と告げられた。
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りっか(プロフ) - のんさんさん» いやーー!!www 嬉しいけど恥ずかしいw 文次郎もやっぱ直ぐ顔真っ赤にしそうw女の子慣れして無さそうだもんなぁ、鍛錬馬鹿だから(笑)好きって言われて私も嬉しい好き(違う) (2022年12月4日 21時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
のんさん(プロフ) - 1からまた見てるんだけどヤバい文次郎の扱いめっちゃ面白すぎるww 43〜4とかww留三郎のくだりめっちゃ好きww (2022年12月4日 19時) (レス) @page45 id: fe8741111e (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 待っていただきありがとうございます(*´∇`*)ありきたりな平凡回ですけど夢主様を愛する気持ちは負けていないと思うのでどうぞ最後までお楽しみください♡ (2022年2月7日 15時) (レス) @page39 id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 今回もお話し待ってました!! 夢主愛され最高💕 続き待ってますね (2022年2月7日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 最高の褒め言葉ありがとうございます(*´∇`*)私も毎日どうやったら忍たまの世界に行けるかどうか悩んでます(大真面目)まぁ、行ったところでこんなに愛される訳が無いんですけど夢くらい見たいですよね!!w 推しに会うだけでも良いですもんね!!これからも頑張ります! (2022年2月5日 18時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年2月1日 20時