【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その６(春編)

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「諸泉さん、やっと笑ってくれましたね。ちょっと安心しました」

諸泉『え…私、そんなに怖い顔をしていましたか？』

頬を掻きながら少し不安げに私を見る彼に、人差し指を顎に当てて考える素振りを見せる。

「うーん…まぁ、そうですね。ずーっと険しい顔をしてました」

諸泉『それは…あの、すみません。不快な思いをさせてしまって…』

「別に不快だなんて思っていません。それに今は笑ってくださっていますし！私は嬉しいです」

逆に私たちが彼に不快な思いをさせてしまっていた気がするので、こうして笑顔を見せてくれて素直に嬉しい。

諸泉『…っ、そ、そうですか』

頬を緩ませながらそのことを素直に伝えると、諸泉さんは目を一瞬見開いたと同時にスっと伏せる。心做しかほんのり頬が赤い。

「諸泉さん？お顔が赤いようですけど大丈夫ですか…？」

熱でもあるのだろうか、と思いそっと彼に手を伸ばすが片手でストップと制された。

諸泉『大丈夫です！なんでもありませんから…』

本人がそう言うなら大丈夫なのだろう。
行き場の無くなった手を下ろす。ふ、と雑渡さんの方を見ると顔を背け肩を震わせていた。

雑渡『…尊奈門はまだまだ子供だね。さて、Aくん。雑炊を作ってくれたお礼がしたいんだけど、何がいい？』

「お礼なんてそんな…！元々は私たちが悪いんですし、気にしないでください」

雑渡『私は、受けた恩は必ず返す主義でね。…それで、何がいい？』

断りを受け入れる、という事は元々ないらしい雑渡さんの態度に少したじろいでしまう。そこまで言われるとどうしたものかと考えてしまうなぁ。

6-27→←6-25(2022/05/25訂正)

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