【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その15(夏編)

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暦が文月に入って2週間くらい経ったとある日。
私は早朝に両親のお墓の前で手を合わせていた。

「今日は兵庫水軍の臨海学校に行ってきます。明日には帰るから待っていてね」

そうです。今日は待ちに待った兵庫水軍の臨海学校なのです！
臨海学校は名前ばかりで、中身は炭火焼きパーティーという楽しいイベント。思いっきり羽目を外しても怒られないのです！
楽しみすぎて昨夜はあんまり眠れなかったなんて言うと絶対にみんなに揶揄われるから言わないけど。

三木ヱ門『Aさん、随分と楽しそうですね』

ユリコちゃんの散歩をしていた三木ヱ門と偶然鉢合わせたので、彼と一緒にお墓参りをしているのだが、私の顔を見るやいなや小さく笑われる。

「うぇ？！あ、か、顔に出てる…？」

表情を指摘された私は思わず両手で頬を覆った。18にもなって浮かれすぎなんて思われたかな…。

三木ヱ門『えぇ、まぁ(幼子の様なAさんもまた可愛らしい)。でも、そのお気持ちも分かります』

「だよね！三木ヱ門も楽しみだったの？私、炭火焼きってしたことないからすっごく楽しみでさ。兵庫水軍の炭火焼きパーティーってやっぱり、海の幸を利用するのかな？だとしたら絶対美味しいよね〜！あ〜早く行きた…あ、ご、ごめん…五月蝿かったよね…」

三木ヱ門が共感してくれたことに嬉しく思い、間髪入れずに感情のまま言葉をつらつらと並べていたのだが、ハッと我に返り慌てて謝罪をする。
迷惑だったよな〜と思いながらおそるおそる彼の顔を見ると、私の思っていた表情とは180度違い優しい笑みを浮かべていた。まるで幼子を見るように。

うあ〜…恥ずかし…。

そう思うと一気に顔が熱くなっていくのが分かる。
居てもたってもいられなくなり、私はスっとその場に立ち上がった。

「えっと…み、三木ヱ門はご飯まだだよね？一緒に食べて早く行く準備しちゃおっか」

三木ヱ門『え、あ、は、はい！(やった！Aさんと2人きりで朝食なんて夢みたいだ)』

ユリコちゃんを格納庫に戻しに行った後、食堂での朝食はまだ少し早いので2人で調理場で朝食を作り食べることにした。

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