【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その15(夏編)

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三郎次『じゃあ僕がA先輩の頭の上から水をかけるので水が掛かっている間は息を止めてみてください』

「え？！そんなことしたら息出来ないよ？！」

三郎次『何当たり前のことを言ってるんですか？』

「え？」

三郎次『え？』

おっと、会話が成立してないな？それに私さっきから言おうと思ってたのに話聞いてくれなかったのは三郎次くんじゃん。
すると三郎次くんは嫌な予感がすると言わんばかりに眉間に皺を寄せる。

三郎次『...あの、一つお聞きしても良いですか？』

「...はい？」

三郎次『お風呂で頭を洗う時はもちろん頭からお湯をかぶりますよね？』

「え？」

三郎次『え？』

暫しの沈黙が流れる。
三郎次くんは目を閉じてスゥーーーーと長く息を吸った後ゆっくりとハァーーーーと吐き出し、目を伏せたまま再び口を開いた。

三郎次『...ここまでとは思いませんでした』

「ご、ごめんなさいぃい...！」

超絶呆れてるやんけ！！
三郎次くんが死んだ目で私を見てる。ここまで運動音痴に加えて水嫌いだとは思わなかった、僕にはもう手に負えないどうしたらいいんだと思っているはず...たぶん。

三郎次『...A先輩、いつも顔洗ってます？』

「失礼な！洗ってるよ！顔洗うのは一瞬だもん！」

三郎次『あ...そうですよね。でもどうしよう...僕の確認不足とは言えここまでとは...臨海学校までに顔くらいは付けれるようになって行きましょうか...あわよくば潜れるようになるまで。出来そうですか？』

真面目な彼は私を放っておくという選択肢は無いようだ。
三郎次くんが私のことを考えてくれている優しさが伝わるし、私からコーチをお願いしたのだからその思いに応えたい。

「...頑張る。だから、その、よろしくお願いします！」

三郎次『分かりました。じゃあビシバシ行きますよ(普段は上級生の先輩方が居てなかなかA先輩とお話出来ないからコーチを頼まれて嬉しいとは言えないな)』

「ひょ？！お、お手柔らかにお願いしたいです...」

臨海学校までの一週間、放課後はAちゃんを独り占め出来て嬉しい三郎次が居ても可笑しくないよね。

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