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Aの逃げる手助けをする筈の2人が彼女の居場所が何処か考えている時点でAはここに居ますと言っているようなものだ。そしてトドメにしんベヱが続けて言葉を放つ。
しんベヱ『先輩方も乱太郎もきり丸もAお姉ちゃんに失礼だと思わないんですか!運動音痴のAお姉ちゃんだって出来ることの一つや二つありますよ!今だってあの木の上で身を潜めてるのに…もごもご』
乱太郎・きり丸『しんベヱ!』
Aのことを馬鹿にしていると勘違いしたしんベヱはムキになって、とある1本の木の上を指差しながら声を荒げた。それを見た乱太郎ときり丸は慌ててしんベヱの口を手で塞ぐが時既に遅し。
しんベヱの指を差した木の葉がガザガサッと音を立てた。それを確認した上級生が一気にその木の下を目掛けて走る。
いち早く着いた留三郎と文次郎が上を見るとAが木の枝にしがみついてこちらを見ていた。
「もぉ〜…!やり過ごせると思ったのにぃ!」
留三郎『A…お前、木に登れたんだな…』
文次郎『待ってろ、今降ろしてやるから』
留三郎『ちょっと待て!俺が先に着いたんだから俺がやる!』
文次郎が木に登ろうとしているのを隣に居た留三郎が彼の顔に手を押しやり木から離す。それに負けじと文次郎も留三郎の顔に手を伸ばし引き離そうとした。
文次郎『五月蝿い!お前は引っ込んでろ!』
留三郎『こっちのセリフだ文次郎!お前の方こそ引っ込んでろ!』
文次郎と留三郎が木の奪い合い(?)をし始めたのでAが登っている木がゆらゆらと揺れ始める。
「ち、ちょっと…2人とも落ち着い、て…」
喧嘩を止めようと上から声を掛けるA。しかし徐々に体が傾き始め、次の瞬間には木の枝にしがみついていた手が滑ってしまった。
「…っ、!(落ちる…!)」
思わず目をぎゅっと閉じ地面へ落下する衝撃に耐えようと体に力が入った。しかしいくら待てども体に痛みどころか衝撃すらも無いと思いそっと目を開けると、Aが落ちたといち早く気づいた長次が彼女を抱きとめそっと地面に降り立っていた。
長次『…大丈夫か?』
「あ…う、うん…ありがとう」
所謂お姫様抱っこをされているAは至近距離にある長次の顔に羞恥を隠しきれずほんのり頬を赤く染めていた。
小平太『ずるいぞ、長次!私が捕まえたかったのに!』
「………………………………あ」
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りっか(プロフ) - 雅さん» 急にお兄ちゃんって呼ばれたらそりゃ赤面しますよねwwwでもあの二人の関係は先輩後輩であり兄弟でもありです!熱血ですもんね!2人して! (2022年11月5日 11時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 雅さん» 遅くなってすみません!!分かります(笑)何とも言えない気持ちがお腹の辺りをうずうずさせられました(笑)でも留三郎はやっぱ三男だったんだな〜って思いましたね。個人的にはあの面倒見の良さから下にも居るのかな?なんて思っていましたがどうなんだろう🤔 (2022年11月5日 11時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 浜守一郎さんの恥ずかしい表情と食満先輩がびっくりするぐらいの真っ赤な(?)表情、「可愛かったな…😳」っと思って(笑)※『籠城の記憶の段』のお話より。 (2022年10月22日 19時) (レス) id: 6b30a233dd (このIDを非表示/違反報告)
雅 - りっかさん» りっかさん…確かにヤバかったです…🥶私、恥ずかしいくて死にそうで涙が出てしまいそうですぅ…正直に『お兄ちゃん』って呼ぶのはやめて欲しいです…はい…😭🌀 (2022年10月22日 18時) (レス) id: 6b30a233dd (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 忍たま好きさん» 忍たま好き様ありがとうございます(´;ω;`)そう仰って頂けてとても嬉しいです…一日に1行程度しか書けない状況ですが今後ともよろしくお願いします! (2022年10月16日 20時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年8月21日 8時