【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その13(夏編)

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「私の言うこと聞いてもらえるかなぁ…それよりさ、三郎くん、らいz 三郎『さぁ〜早く学園長先生の所に行って提案してみるとしよう』

もう一度雷蔵くんの居場所を聞こうとすると、私の言葉に被せてきた三郎くん。何だかさっきから雷蔵くんの話から遠ざけられてる気がする…。三郎くん、雷蔵くんの居場所を本当は知ってるんじゃないの？
そう疑わざるを得ないが、とりあえず今は明日の椅子取りゲームを阻止する為に動き出した。



「…部屋まで行けばさすがに居るでしょ」

私は今、三郎くんと雷蔵くんの部屋の前にいる。
朝と昼は居ないかもしれないけど、夜の寝る前には必ず居るはず！そう思い部屋まで来た。
扉をトントンと二回ノックする。

三郎『誰だ？』

「Aです。入ってもいい？」

三郎『あぁ、良いぞ』

承諾の言葉が返ってきたので扉に手をかけそっと開ける。
中には三郎くんの姿だけがあった。喋り方からしてそうじゃないかなとは思っていたけど…やっぱり雷蔵くんはいないのかな。

三郎『どうした？こんな夜遅くに』

「あ…いや、この時間なら雷蔵くん居るかなって思ったんだけど…」

そこまで言うと急に寂しくなって言葉が出てこなくなった。避けられてるんじゃないのかという疑念が確信に変わりそうだったから。
しとしと降り続く雨の音が大きく聞こえる気がした。軽く息を吐き出し三郎くんに心配をかけないように笑って軽く手を振る。

「本のお礼を言いたかったんだけど…またにするね。じゃ、おやすみ…」

三郎『…はぁ、雷蔵。Aにこんな顔をさせてまで隠れる必要があるのか？』

「え…」

三郎くんのまるで『観念しろ』と言わんばかりの言葉に思わず首を傾げた。
すると屋根裏から雷蔵くんが部屋に降りてくる。そして私は彼の姿を見て目を見開いてしまった。

「ら、雷蔵くん…その頭どうしたの？あ…気分転換？それとも三郎くんが変装出来ないように？」

雷蔵『いや…全部違うよ。湿気が多いとこうやって爆発しちゃうんだ…』

雷蔵くんの頭…否、髪の毛がぼふぼふしている…爆発という言葉がしっくり来るほどに。くせっ毛というレベルじゃないけど、湿気に弱いことは分かった。
雷蔵くんは少し恥ずかしそうに人差し指で頬を掻きながら小さく笑っている。

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