【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その13(夏編)

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八左ヱ門は腕を組んであれやこれととても悩んでいた。
虫や動物のことになると本当に真剣になる八左ヱ門が何だか可愛くて面白くて思わず笑ってしまう。突然笑い出した私を見て彼は不思議そうに首を傾げた。

八左ヱ門『ど、どうしたんだ？』

「いや、八左ヱ門は本当に動物が好きなんだなぁって思って」

八左ヱ門『そ、そうか？動物や虫は愛でれば愛でる程愛着が湧くし心を開いてくれるだろ？それがなんとも言えなくてな〜…意思疎通が取れなくても体調とか分かるようになるし。それに知ってるか？虫だっていざとなれば食べれるんだ…って、何笑ってんだよ』

「ぶ、くく…ご、ごめっ…」

八左ヱ門が語る姿にはどこか兵助くんを連想させるものがあった。というより、兵助くんそっくり過ぎて…豆腐のことを語っている時の彼だった。そんなの笑うしかないじゃん。

「はぁ〜…八左ヱ門は面白いね。それで、その子どうする？一旦保護しておいて、後日飼い主を捜すってのはどう？もう時期日が暮れるし…」

八左ヱ門『やっぱりそうするしかないよな〜…木下先生に掛け合ってみるよ』

「じゃあ、私も一緒に行く。一人より二人の方が承諾得られそうだし」

八左ヱ門『ありがとな、A』

そう言って子犬を抱きかかえた八左ヱ門と私は林を抜け道に出る。すると、道の向こうから幼い女の子とその母親であろう女の人がこちらに向かって歩いて来ていた。

女の子『ハチー！ハチ、どこー？』

母親『居ないわねぇ…今日はもう諦めて、お家に帰ろう？』

女の子『いやだやだーー！ハチを見つけるまで帰らないーー！』

二人の様子を見ていた私たちは顔を見合せたあと、子犬へと視線を向ける。そしてもう一度八左ヱ門の顔を見ると、彼も思うことは一緒なのか口に弧を描くと頷いた。

八左ヱ門『おーい！もしかして捜しているのはこの子犬かーー？』

八左ヱ門が女の子に向かって大きく手を振る。すると、女の子と母親がこちらを見た途端、女の子が泣きそうな表情から一変してぱあっと表情を明るくさせる。そして八左ヱ門の方へ駆けて来た。

「あ…そんなに慌てて来ると…」

案の定、女の子は私たちの目の前で盛大に転ぶ。私と八左ヱ門は慌てて女の子に駆け寄り起こして泥を払ってあげるが、大粒の涙を目に溜めて今にも溢れ出しそうになっていた。

女の子『う、うえぇ…』

「あ〜痛かったね、どれどれお姉ちゃんに見せてごらん…うん、このくらいなら大丈夫。直ぐに手当てしてあげる」

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