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彼の言葉の意味が分からず首を傾げる。
そしてそのまま私の怪我した方の手を自分の口元へと運び、ちゅ、と短い口付けを落とされた。
またもや私の思考は停止。目を数回ぱちぱちと瞬かせながら出茂くんを見つめる。
すると彼は口元に緩く弧を描いて立ち上がり医務室を出て行こうとする。一度、入口で立ち止まり私を振り返りこう言った。
鹿之介『理解出来ていないお前に優しく分かるように言ってやる。次に会う時は僕と出かける準備をして待っていろよ。じゃあな』
未だに何が何だかな私はとても間抜けな顔をしていたんだと思う。彼は小さく笑ってそのまま医務室を後にした。
残された私は数々の出来事にボンッと頭から湯気が出る勢いで顔を真っ赤に染め上げた。
そして口付けを落とされた手の甲を見つめ更に顔が熱くなるのを感じる。
思わず頬を両手で隠すように覆った。
「つ、ツンデレってああいうのを言うのか…?」
自分でも訳の分からん事を呟いていると、入れ違いで5年生が医務室に入ってきた。
勘右衛門『A、調子は…って、なんでそんなに顔真っ赤にしてんの?』
八左ヱ門『もしかして熱が出てきたのか?!』
雷蔵『新野先生を呼んでくるべきか、伊作先輩を呼んでくるべきか…!』
三郎『伊作先輩は薬草園に居たぞ。そっちのが近いんじゃないか?』
兵助『Aさん、大丈夫かい?ちょっと触るよ…』
「へぁ?!だ、だだだだだだだだだいじょびっ…だ、大丈夫だから…は、ははっ」
私を見るなり5年生のみんなが心配してくれる。
兵助くんが私のおでこにそっと手を伸ばしてきたので、ズササーっと言う効果音がつく勢いで後ろに後退る。
動揺が隠せず盛大に噛んでしまいながらもなんでもないと顔の前で両手をブンブン振った。
すると5年生は何かを察したのか後退った私にズイっと詰め寄ってきた。壁際に追いやられた私は逃げ場を失ってしまう。
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りっか(プロフ) - 七海さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(´˘`*)とてつもない褒め言葉でございます!!ぼちぼち皆様に楽しんで頂けるように頑張りますのでどうぞこれからもよろしくお願い致します! (2022年6月21日 20時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
七海 - 滅茶苦茶楽しませてもらってます!無理のない程度に頑張ってくださいね^^ 応援してます!! (2022年6月19日 17時) (レス) @page43 id: bcf0e58e89 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - りっかさん» ありがとございます!! 私も鼻血がwww (2022年6月14日 22時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 2人揃って良いですよね〜私の最推しが2人いるって鼻血出そうでした(汚い)なんか最近キャラの口調とかいろいろわかんなくなってきてアニメ見て落ち着かせてます心をwwwあい様も頑張ってください! (2022年6月14日 19時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - りっかさん» 留三郎と似てるけど髪の色と声が違いますけどそこも良いwww 兄弟みたいwww ありがとございます、、 作者様もスランプ抜け出せると良いですね!! これからも頑張ってください (2022年6月10日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年5月5日 15時