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「あ、残っていた事務の仕事、任せちゃってごめんね。ありがとう」
鹿之介『別にお前の為にしているんじゃない。吉野先生がお帰りになられた時に全部終わらせておけば僕の評価が上がるからな』
「はいはい、そうだね〜。…それでもありがとう。もう終わったの?」
鹿之介『当たり前だろ。そうでなければこんな所で油なんか売っていない』
「…それじゃあ、帰る前に寄ってくれたってこと?」
鹿之介『あぁ…じゃなくて、だから他の奴らが…!』
「ふふっ、そうだったね。ありがとう」
少しずつ彼と打ち解けられてきたかな、と思い始めた。
相変わらず他の人のせいにしているけど、それもひっくるめて彼なのだろう。そう思うと何だか可笑しくて小さく笑ってしまう。
鹿之介『…っ』
そんな私を見て出茂くんは一瞬だけ目を見開くと直ぐにそっぽを向いてしまった。
不思議に思っているとボソッと何かを呟いている。
鹿之介『…初めて笑ったな』
「え?なに?」
鹿之介『…笑った顔は可愛いんだな』
聞き取れず思わず聞き返すと、何故か吐き捨てるように告げられる言葉に思考が暫くの間停止してしまった。
まさか彼の口から私を褒める言葉が出てくるとは思わず、しかもそれが可愛いだなんて目の前にいる彼は本物なのだろうかと握られていない片方の手を彼の頬へと伸ばしフニフニと触ったり軽く引っ張ったりした。
鹿之介『おい。なんの真似だ』
「あ、いや…誰かが変装してるんじゃないかな、と」
鹿之介『変装なんかしているわけないだろ。僕に触るな』
眉を顰めながら私の手を振り払う出茂くん。
ということはさっきの言葉は紛れもない彼からの言葉。そう思うと徐々に恥ずかしくなってきてしまい頬に熱が集中し始める。
鹿之介『お前…熱でもあるのか?』
「へっ!?や、ややや!何でもない!」
なんで急に素直になっちゃうのこの人。出会ってからついさっきまでは口を開けば嫌味だらけだったのに、そんな人から可愛いとか言われたらびっくりするし何より恥ずかしいんだけど!!
顔が赤いことを指摘されると彼から顔を逸らして下を向く。
謎の沈黙が流れた後、出茂くんが口を開いた。
鹿之介『今度会う時までにその醜い顔とこの手の怪我は治しておけよ。じゃないと隣を歩く僕が恥ずかしい思いをするからな』
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りっか(プロフ) - 七海さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(´˘`*)とてつもない褒め言葉でございます!!ぼちぼち皆様に楽しんで頂けるように頑張りますのでどうぞこれからもよろしくお願い致します! (2022年6月21日 20時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
七海 - 滅茶苦茶楽しませてもらってます!無理のない程度に頑張ってくださいね^^ 応援してます!! (2022年6月19日 17時) (レス) @page43 id: bcf0e58e89 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - りっかさん» ありがとございます!! 私も鼻血がwww (2022年6月14日 22時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 2人揃って良いですよね〜私の最推しが2人いるって鼻血出そうでした(汚い)なんか最近キャラの口調とかいろいろわかんなくなってきてアニメ見て落ち着かせてます心をwwwあい様も頑張ってください! (2022年6月14日 19時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - りっかさん» 留三郎と似てるけど髪の色と声が違いますけどそこも良いwww 兄弟みたいwww ありがとございます、、 作者様もスランプ抜け出せると良いですね!! これからも頑張ってください (2022年6月10日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年5月5日 15時