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no side
?「はぁ〜…お昼ご飯の定食を悩んでいるうちに遅くなってしまった…」
?「雷蔵は相変わらずだな〜。結局、焼き魚定食の最後の1個を取られて筑前煮定食になってたし」
廊下を歩く同じ顔の2人。
5年ろ組の名物コンビ、不破雷蔵と鉢屋三郎である。
雷蔵のいつもの優柔不断により、先程まで昼食を取っていたのであろう会話が繰り広げられている。
不破雷蔵 以下 雷蔵
「前よりは幾分決断力はついたと思うんだけどな〜…ご飯のことになるとどっちも捨て難いから迷ってしまうんだよ」
鉢屋三郎 以下 三郎
「食堂のおばちゃんのご飯は美味しいから分からなくもない。けど、最終的に毎回残り物になってしまうくらいなら先に選んだ方がいいと思うぞ」
雷蔵「三郎の言うことはもっともなんだけど…でも…あれ?」
三郎「ん?どうした、雷蔵?」
雷蔵「あ、いや、あの木の下に居るのって…」
三郎「木の下?…あ、あれは確か事務員の…」
そこまで言うと三郎は、校庭に出てるや否や木の下で寝ているAの元へ迷いもなく進んでいく。
雷蔵「さ、三郎…!待ってよ…!」
その後を慌てて追いかけていく雷蔵。
2人はAの近くまで行くと起こさないようにそっと顔を覗き込む。
静かな寝息を立て気持ちよさそうに寝ているA。
三郎「…なんというか、無防備過ぎないか?」
雷蔵「まぁ、確かに。でも凄く気持ちよさそうに寝ているね」
『…ふふっ…もう食べれないよ…』
笑いながら寝言を言うA。
先程昼食を食べたというのに夢の中でも何か食べているのには触れないで欲しい。
雷蔵「(っ、かわ…?!)」
三郎「雷蔵、今可愛いって思っただろ」
雷蔵「え?!な、何で分かったの?」
三郎「変装している相手の考えていることくらい分かるさ」
雷蔵「そういう三郎こそ可愛いって思ったんじゃないの?」
三郎「…さぁ?」
集会の時に見た彼女を、今こうして改めて近くでよく見ると可愛いと思わずにいられるだろうか。
白い肌とは対照的な真っ黒で艶のある髪。長い睫毛で鼻筋も通っている、誰が見ても整った顔立ちの彼女。
雷蔵「…三郎、どうする?」
三郎「どうもこうも、こんなチャンス滅多にないぞ」
雷蔵「そうだな。それじゃ、隣を失礼して…」
2人は顔を見合わせ頷く。
そしてそのまま彼女の両隣に寝転ぶと、そっと目を閉じ自分たちも夢の中へと旅立って行ったのだった。
no side end
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りっか(プロフ) - 住人さん» ようそこ沼へ!!!!大歓迎です♡嬉しいお言葉ありがとうございます!!!!ぼちぼちになりますが頑張りますのでよろしくお願い致します!!!! (2023年2月18日 9時) (レス) id: 478fa1c1b9 (このIDを非表示/違反報告)
住人 - 最近沼に落ちてきました。しばらくここでお世話になります!これから猛スピードで最新話に追いつくので更新頑張ってください!! (2023年2月15日 22時) (レス) id: c00a4cd404 (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - スイちゃんの姉貴的存在のご友人さん» うぎゃ!!ありがとうございます!その一言がとても嬉しいです(;;) (2023年1月24日 13時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんの姉貴的存在のご友人 - 良き (2023年1月20日 21時) (レス) @page5 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 銀蘭さん» ぎゃあああああああああ!!ありがとうございますううううう( ´:ω:` )ありきたりな設定でほんっと申し訳ない思いもありつつ私の妄想に付き合って頂いて…これを励みに頑張りますのでこれからもどうぞよろしくお願いいたします!!!!! (2022年1月23日 3時) (レス) id: c181ad41b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2021年12月17日 16時