what ill is【短編集】 (ページ5)

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「それ、れいあさんより大事なもの？」

黄「…こういうときさ、」

「うん」

黄「りんねのために秘密でプレゼント買いに行ってた

とかなら、かっこいいんだけどね」

「りんね誕生日まだ先だよ？」

黄「…そうなんだよね、」

何を買ったのか気になって、紙袋のなかを覗き込む。

「鉛筆…？」

黄「色鉛筆」

「絵描くの？」

黄「あのね、りんね」

「ん？」

黄「夕焼けはオレンジ色じゃないんだよ」

「、れいあさんには何色にみえる？」

黄「それをね、朝言いたかったんだけど…

ないんだよね、言葉が」

「だから描いてくれるの？」

黄「うん」

「りんね、見たい。れいあさんが見えてる世界」

黄「ありがとう」

れいあさんの体調が悪くなった原因が何かはわからないけど、

駅の電光掲示板か街中の広告か、誰かが間違えて点けちゃったスマホのライトか

りんねの世界では当たり前のものがれいあさんを傷つける。

でもりんねがれいあさんを守るからね。

「着いたよ、れいあさん…？」

れいあさんが安心して眠れる場所をりんねが作るからね。