what ill is【短編集】 (ページ11)

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「ただいまぁ…駅出た瞬間雨降ることある？」

「…？だかさん？」

濡れた靴下を脱いで、ゆっくりリビングへ向かう。

ついてない日だから、バナナの皮が落ちてるかもしれない。

「何してんの？」

緑「…ぁ、」

目の前には、大事そうにの鉢を持った彼。

少し空いたベランダの窓から雨が吹き入る。

俺が家に着いても止んでない…

「…って、待って…洗濯出しっぱなしじゃん」

緑「、そ、そう！そうなんだけど、あの、そうなんだけど」

「…なるほどね」

緑「葉っぱ、」

「うん」

緑「、パーカー」

「うん」

外の洗濯物と、手元のと、俺の顔を行き来するだかさんの視線。

そんな困ってる姿が可愛いと思ってしまうのは恋人だからっていう言葉で片付けていいですか

「よし、じゃあ一緒にやろう。珍しくお天道様が俺の味方してるみたいだし」

一向に止む様子のない空に「もうしばらく降ってろよ」と圧をかける。