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ニコニコおひさま ページ10

白.










「まじかよ…」









横断歩道を渡り終えると同時に額に落ちる雨粒。


反対側を振り返るけど点滅した青信号。







駅前に出来る人集りがもうそこには戻れない俺を笑っているみたいだ。











仕方ないから天を仰ぎ、強くなるばかりの雨を浴びながら歩みを早める。








ついてない





きっと家に帰ると同時に止むんだろうなぁなんて思いながら折りたたみ傘を出す女の人を目で追う。


俺の傘は今頃家にあるもう一つのカバンの中。


そのカバンにはきっと今日必要だった名刺とボールペンも入ってる。











ちなみに、俺が今持っているカバンの中には何故か絵本。


おばけの絵本。










入ってたこと自体が怖い















「…はぁ、」











だよね、こういう、軒先とはっていう場所の信号は捕まるんだよね。









雨の音を掻き立てるように走る車のライトに照らされて、部活帰りか塾帰りかの男の子が向こう側に見える。



そうか、お前も仲間か



少年、いいことを教えてあげよう。

俺らはついてない。だからずぶ濡れになりたいときは雨は降らない。













なんてふざけたこと考えながらすれ違う。
















まあ、ついてる日だっていつかは来るよ、少年。

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作者名:アイバ | 作成日時:2022年1月22日 21時

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