157.平常心の難しさ ページ38
智「、……」
「……」
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きっと今、大野さんは呆然とした顔で私を見てる。
何だコイツって思われてるかも知れない。
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智「…、Aちゃん…？」
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いや…、大野さんはそんな事、思わないかな…。
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智「……あ、お土産売り場嫌だった？」
「…違います…」
智「…、あ〜っと(汗)あ！じゃあ、」
「ただ」
智「、」
「…ただ、手を繋ぎたかっただけ…です……」
智「…ぁ、あぁ…、…なるほど……(笑)」
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智「うわぁ、水族館でエイバーガーって…(笑)」
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私の勝手な行動に、嫌な顔一つせず、…まぁかなり戸惑わせちゃったけど…。
ちゃんと私の手を握ってくれてる。
ただ困るのは、神経が全部そっちに持っていかれること。
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智「Aちゃんさ、お母さんに何か買ってってあげたら？お母さんきっと喜ぶよ」
「…」
智「…Aちゃん？」
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神経が全部持ってかれないように、平常心を保つ為にジーッと目の前にあるペンギンのぬいぐるみを見つめる。
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智「…そのペンギン欲しいの？」
「、っ、えっ？！」
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突然私の意識に入ってきた大野さんの声に正気を取り戻す。
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智「なんかずっと見てたじゃん？」
「あ、…そですか、？(笑)」
智「うん(笑)…あ、で！お母さんへのお土産買ってあげないの？」
「、え、あ、そ、そうですねっ…！ちょっと見て来ます…！」
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私はまたまた平常心を手放して、咄嗟に大野さんの手を離して適当な方向へと走って行った。
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作者名：な り き | 作成日時：2017年10月16日 14時
