４）好きって言って -O.S- (ページ35)

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154.手つなごうページ35

「っ、ぁ、はい…！」

慌てて返事をすると、そっと私のもとへ来た大野さんが謝ってきた。

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智「ごめんね…、俺ばっか楽しんでてAちゃん全然楽しくないよね…(笑)」

「えっ！？、や、そんな事、」

智「違うとこ行こっか…(笑)」

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苦笑いをしてそう言った大野さんが、違う場所に移動しようとしたのを咄嗟に服の裾を掴んで引き止める。

そしたら、少し戸惑った大野さんが身体と顔を斜めに私に向け、私の言葉を待っている。

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…っ、いつも私が何も言わないから……
だから何も大野さんに伝わんない…。

もう後悔したまま、何も伝えられないまま
離れるのは嫌だ。

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「っ…、て…」

智「…？」

「……手、繋いでも…いいですか……？」

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震えた声を頑張って押し出して伝えた。

返事が怖くて、大野さんの反応が怖くて、
目をぎゅっと瞑って俯いたまま返事を待っていたら…

私の頭の上で、フフッ…と大野さんの笑った声が聞こえて、思わず顔を上げた。

そこには

多分…とゆうか、絶対間抜けな顔をした私を
あの可愛らしい、へにゃん…とした癒やし効果抜群の笑顔をした大野さんが見ていた。

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「っ…」

智「ふふっ…、どうぞ？(笑)」

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そう言って、破壊力抜群の甘い笑顔と甘い声と
綺麗な手を私に差し出す大野さんが

また私を深い深い沼に落としていく…。