56.繋がれる手 ページ24
翔「……っておい、話聞いてんのか」
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あの後、学校が終わってどうにか帰る方法はないかと考えていたけど…
翔くんの前の席の私には逃げる術は無く…。
只今、強制連行中。
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翔「無視すんなやコラ。聞いてんのかって」
鞄でバシッと私の太腿を軽く殴ってくる。
「聞いてないよ」
そう言ったら、私の太腿を叩くのをやめた翔くんが
歩く足を止めた。
「……何、どうしたの…」
翔「…そんな早く帰りてぇ？」
不機嫌そうに私を見るけど、声がか細い。
「、別に…そうゆう訳じゃ」
翔「じゃあそんなつまんなそうにすんなよ」
眉間にシワを寄せてるけど悲しそうな顔で私を少し離れた後ろから見てくる。
…なんか、翔くんといたら申し訳無いことばっかりしてる気がする。
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「…ごめん」
翔くんの悲しい顔を見るのは慣れてない。
だから翔くんの顔が見れない私は、俯いて謝った。
私の斜め後ろで止まってた翔くんが
ふっと私の隣に来たかと思ったら……
「っ…ぇ、」
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私の手をさり気なく取って、きゅっと握る翔くんの手。
急な出来事に頭が追いつかない。
握られた手を離そうと思ったら、翔くんの手が
ぎゅぅっとさっきよりも強い力で握ってきた。
「っ…ちょ、翔くん、離して…」
翔「やだね」
「っなんで…」
翔「俺の話聞いてなかった罰ですぅ」
むぅっと可愛い顔して私を睨む。
…罰って……(笑)
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そのまま私の手を引いて歩く翔くんに付いていった。
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 14時
