38.初恋の男の子 ページ6
キーンコーンカーンコーン…
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三時間目のテスト終了のチャイム。
テスト用紙を回収して、帰りのHRを終えた。
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後ろの席の不良くんにさっきの怒りをぶつけようと
後ろを向いたら、
不良くんは耳にイヤホンを差して鞄を肩に乗せて
私に向けられてる視線を無視して颯爽と教室のドアに向かった。
私は奈々に、用事があるから先に帰る
と報告して教室を出た不良くんを追いかけた。
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「っ…ちょっと待って！」
肩にポンッと手を置くと、足を止めて耳からイヤホンを外して私をジロッ…と睨む。
翔「…なに」
その声の低さと私を睨みつける視線に
さっきまでの怒りが段々と恐怖に変わる。
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「っ、あの！さっきの…謝って下さい」
何を言われるか、何をされるか分からなくて
ビクビクしながら返事を待つ。
翔「なんで俺が謝んなきゃなんねーの。カンニングしてますって言わないであげただけマシだろ」
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" 感謝してね "
と、なぜか上から目線でそう言って、また颯爽と帰ろうとするからムカついて思いっ切り学ランを引っ張った。ら……
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翔「っ…お前は相変わらずうぜぇなー。外見は変わっても中身はまんまかよ」
凄いイライラした口調で怒り出したけど、
私はそれよりも気になった。
相変わらず…？中身はまんま…？
いかにも昔から私の事を知ってるみたいな…。
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不思議に思って不良くんをガン見していたら。
不良くんが自販機で売っているオレンジジュースを
私に差し出した。
その時、ハッと蘇る記憶。
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「っ…、…翔くん？」
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櫻井翔くん。
その名前を忘れるはずは無かった。
だって、翔くんは
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私が初めて好きになった男の子。
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 14時
