１）好きって言って -O.S- (ページ10)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:59,956 hit

10.カレーライスページ10

家に着いたあと、私はすぐに台所へ向かう。

.

忙しそうだったし、帰ってきたら疲れてるだろうから、何となくだけど晩御飯を作ってあげようと台所に立った。

.

お父さんが生きてた頃は

毎日のように私がご飯を作ってたから

料理には少し自身がある。

昔、ほんとに昔。

お母さんに教えてもらったカレーライスをよくお父さんに作ってあげていた。

…うん。今日の晩御飯はカレーライスにしよう。

.

お母さんのカレーは、私に合わせて甘口で作ってくれてたけど。

…今日は中辛にしてみよう。

.

.

「っ…出来た！」

やった！ちゃんと中辛にも出来たし！
今日のカレーは上出来！

あとは、大野さんの帰りを待つだけだ。

.

.

.

あれから２時間が経っても、一向に大野さんが帰ってこない。

もう８時過ぎちゃったよ…。
何してるんだろう。

あの様子だと、忙しそうだったから
もっと遅くなるかもしれない。

待つのには慣れてる…けど……

.

そんな事を考えてるとき、ガチャッと玄関のドアの開く音がした。

智「Aちゃん！ごめん遅くなって」

慌てて靴を脱いでリビングに入ってきた大野さん。

智「ご飯食べといてくれた？…って、…コレ…」

テーブルに並べられた２つのカレーライスを見て
フリーズ状態の大野さん。

智「え…これ、Aちゃんが作ったの？」

その問いかけにコクッと首だけ縦に動かす。

智「…え、凄い。やばっ、感動…」

目をキラキラさせて私の作ったカレーライスを見つめる大野さんが嬉しくて、少し笑みが溢れた。