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side涼太
行きたくない。
オーディションなんて、受けたくない。
そう思っていたのに、いつも母さんの言う通りに動いている。
いつも会場につくと、頭が真っ白になる。
ふと我に返ると、そこは見慣れた暗い部屋の中。
人だらけのオーディション会場、たくさんの人に見られている審査は緊張からか、全く覚えていない。
ただ分かることは、俺はまだオーディションに落ちていない。
それから、龍友くんも落ちていない。
そして明日、いよいよ最終審査の合宿審査がはじまる。
母「なんで合宿なのよ。涼太、ちゃんとするのよ」
怪しまれるような変な行動取らないでよ、と母さんに念押しされる。
変な行動って、なんだろう。
だけど母さんは、合宿ってことに何故かイライラしていて。
母「あ、あと。わかってるとは思うけど、家でのことは人に絶対に話さないでよ」
家での、こと。
他の家の生活を知らない俺にとっては、この家での生活が全てだった。
だから何を話しちゃいけないのか、全くわかっていなかった。
だけど、きっとまた怒られるから。
殴られて、蹴られる。
明日からの合宿でもそうなのかな。
あぁ、結局なにも変わらないじゃんか。
ただひたすらそう思っていた。
翌日、合宿審査の初日。
合宿所に向かうバスに乗るために集合場所まで電車で向かう。
そしてまた、駅で龍友くんに会う。
龍友「おはよう。合宿、がんばろな」
2次審査くらいで少しぎこちなくなった龍友くん。
だけど相変わらず俺に声をかけてくれる。
誰とも関わる気のない俺に、唯一話しかけてくれるのが龍友くんだった。
バス乗り場に着いて、当たり前のように隣に座った龍友くん。
バスが動き始めてからは、何も話すことなく。
あっという間に合宿所に着いていた。
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npagxp(プロフ) - 叶夢さん» ありがとうございます! (2020年8月27日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - これからも楽しみにしてます(*´∀`) (2020年8月27日 19時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 涼太が謝る"理由"(´;ω;`)気になります(´;ω;`) (2020年8月24日 21時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - りささん» いつもコメントありがとうございます! (2020年8月24日 20時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 涼太君が無事に退院出来るといいな(*^-^*) (2020年8月24日 1時) (レス) id: 3d828ae167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:npagxp | 作成日時:2020年4月1日 19時