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side龍友
あと少しで涼太に届きそうな時、涼太が僕の方に自分から手を伸ばしてきた。
龍「よし。ほら、おいで」
涼「んっ、ぐすっ、ぎゅー、って、」
龍「ぎゅーってしよな。ほら、大丈夫やろ?」
抱きしめた涼太の身体は冷えていて。
おそらく布団から出たのは今さっき、というわけではなさそうだ。
手を伸ばして毛布をとり、涼太にかけて毛布ごと抱きしめる。
涼「んー、ひっく、んっ、」
正面から抱きしめている僕の肩に頭を預ける涼太。
メ「あれ、龍友?」
龍「あ、メンさん。もうそんな時間か、」
朝が早いと言っていたメンさんが起きてきて、時計に目をやるともう朝になっていた。
涼「ん?メン、さん、?」
メ「涼太起きてたんだね。おはよう」
涼「メンさん、こっち、ここ、」
メ「んー?どしたー?ここ?」
声に気づいた涼太が振り返ってメンさんを手招きする。
幼児退行でまだ幼い感じの涼太に合わせて、涼太の要望通りに来てくれるメンさん。
だけどメンさんは今日は早く行く日。
たぶん時間がないはず。
龍「りょーた、メンさんお仕事行くんやて。行ってらっしゃいしよ?」
涼「やぁっ、一緒、いる」
メンさんと離されると感じたのか、メンさんの腕をしっかりと掴んだ涼太。
メ「早く帰って来れるように頑張るね?」
涼「だめっ、」
僕らもできるだけ涼太を怒りたくない。だけど、相変わらず離れない涼太をこのままにもできないと思い出したとき。
メ「りょーた、早く帰ってきてほしい?」
涼「ん、早く、」
メ「涼太が行ってらっしゃいって言ってくれたらさ、俺めっちゃ仕事頑張れる。そしたら早く帰って来れるんだけどなぁ」
涼「んと?早く、帰ってきてくれるの?」
メ「うん、絶対」
涼「指切り?」
メ「いいよ、指切りげんまん。約束するよ」
メンさんのさすがの誘導で涼太がなんとか納得してくれた。
涼「からあげ、」
メ「それは涼太がいい子にしてたら龍友が作ってくれるよ」
涼「やったぁ」
なんて勝手な約束もしてますけど。
りゅーとくんありがとう、なんてにこにこされたら作らない訳にはいかないんだけど。
それからメンさんを玄関まで見送り、泣き疲れた涼太はまた布団に戻り夢の中へ。
その間に僕はみんなの朝ごはんを作ることにした。
メンさん、作れなくてごめん、と思いながら。
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npagxp(プロフ) - 叶夢さん» ありがとうございます! (2020年4月1日 21時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 続編も楽しみにしてます(*´∀`) (2020年4月1日 17時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» お仕事お疲れさまです!そう言って頂けるととても嬉しいです!できるだけたくさん更新できるよう頑張ります! (2020年3月9日 16時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 今、仕事がすごく忙しくて(;_;)このお話読むのが1つの息抜きです(;_;)更新ありがとうございます!! (2020年3月9日 11時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» コメントありがとうございます!今まであまり末っ子を出せなくてすみませんでした…これからはもう少しバランスよくだせるように頑張ります! (2020年2月2日 20時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:npagxp | 作成日時:2020年1月19日 10時