手作りの薬 ページ21
『味見？』
シゲ｢はい！実はしんベヱしゃまがお風邪を引いてしまって、お薬で早く元気になってほしいんでしゅ｣
おシゲちゃんの手に乗った、和紙の上の濁った丸い物体に正直少し身が引く。
その見た目は兵糧丸に似ていた。
『そうだったんだね。でも薬なら新野先生や伊作に頼めば調合してくれる筈だよ？』
ユキ｢それがおシゲちゃん、自分で作った薬で元気になってほしいって｣
トモミ｢聞かなかったんです〜｣
聞けば図書室の本で風邪に効くと言われる薬草や材料を調べ、独自の方法で調合したらしい。
しんベヱへの愛が伝わり自然と微笑みが浮かぶのと同時に、保健委員会に携わらない手が作り上げた薬に正直不安が残る。
シゲ｢食べてみてくれませんか？｣
ユキ｢安心してください。これはまだ試作の段階で薬になる材料は入れてませんので健常者でも安心して食べられます！｣
トモミ｢まあ入ってても悪くはないとは思いますけどね｣
『え？じゃあ何が入ってるの？』
シゲ｢お薬って苦かったり不味かったりすると思うんでしゅけど、しんベヱしゃまが食べやすいように美味しく
感心して詳細を聞いてみたが、自分たちも何を入れたのかあまり覚えていないらしく、私の嫌な予感と不安が膨らんだ。
『…分かった。じゃあいただこうかな』
シゲ｢わぁありがとうございましゅ！どうぞ！｣
指で持って見てみるが、見た目だけでは想像できないような色合い。
せっかく私を頼りに持ってきてくれたのだからと、思い切って口に入れた。
『んﾞﾞｯｯ』
シゲ｢どうでしゅか？｣
ユキ｢美味しいですか？｣
トモミ｢どんなお味ですか？｣
一度噛んだだけで口に広がる味に舌が痺れ、思わず詰まったような声が出る。
苦い薬を和らげたいと聞いたからてっきり甘いと思ったが全然甘くない。
言えない…決して言えない…本音を…
今まで食べてきたどの食べ物にも例えられない味。ついには涙まで出てきてしまう。
これ以上噛んだら戻してしまいそうだから、後は殆ど噛まないで胃に押し込んでしまった。
『う、うん、すごい、薬って感じの味、だよ』
シゲ｢あれ？でもまだお薬になるような物は入れてないんでしゅが｣
『あ、ん、美味しかったよ…！あーでもね、しんベヱにはちょっと刺激が強いかもしれない…！私には良かったけど…！』
これが私の精一杯の傷付けないようにする誤魔化しと気遣いだった。
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ピーナッツ(プロフ) - 空さん» ピクリューで｢テイク式女メーカー｣と調べていただくと出てくると思います！ (3月17日 7時) (
レス) id: 721fcb8351 (このIDを非表示/違反報告)
空 - あの、主人公の女の子ってどのメーカーで作ったんですか？ (3月16日 18時) (レス) id: c61495b448 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - 空さん» わわ、その通りです…！💦すぐに訂正いたしました。ご指摘いただきありがとうございます🙇♀️ (2月25日 8時) (レス) id: 721fcb8351 (このIDを非表示/違反報告)
空 - この作品"１５"ではないんですか？ (2月24日 19時) (レス) id: c61495b448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピーナッツ | 作成日時：2024年2月21日 6時
