戻ってきたもの ページ50
『だめだよ…やっぱり……っ留三郎！文次郎！小平太！戻ってきてーっ！！』
｢大丈夫だー！心配するなー！｣
｢A！問題ないぞ！｣
｢遠くには行かねぇからー！｣
まだ居る。三人が。声が聞こえた。
けど私が戻ってきてほしいのは声だけじゃない。
早く、戻ってきて＿＿
伊｢声が聞こえるから大丈夫。何かあっても直ぐに気付ける。ね｣
『……うん…』
長｢やはり大昔のこと…今は何も無いみたいで良かった｣
仙｢だな｣
私は三人の話をろくに聞いていなかった。心配で心配で。じれったかった。
でも恐怖には勝てなかった。本当は見たくもない暗闇を、あの三人を隠す暗闇を、三人の形を早く見つけたくて必死に目を凝らした。
＿
仙｢遅いな…｣
伊｢うん…｣
長｢流石にな…｣
三人が入っていって、どのくらい経っただろうか。あの一度きり、声は聞こえてこなかった。
仙｢おーいお前たちー！そろそろ戻ってこーい！｣
伊｢とめさぶろー！もんじろー！こへーたー！｣
何度呼んでも返事は返ってこなかった。
物音一つしない不気味な山奥。仙蔵たちの声が闇に吸い込まれていくだけで。
何も、誰も帰ってこない。
『どうしたんだろ……どうしたのかな…！何かあったんじゃ…！やっぱり入っちゃだめだったんだ！』
仙｢落ち着けA｣
仙蔵が過呼吸気味になる私の背を撫でる。私がおかしくなりそうだ。だって、だって三人が…
仙｢仕方ない。私と長次で様子を見てくる。伊作とAは此処で待っていろ。長次、いいか？｣
長｢もそ｣
伊｢わ、分かった。頼むよ｣
『二人も行っちゃうの！？』
仙｢大丈夫。何があっても、必ずお前のところに帰ってくる｣
二人も闇へと姿を消した。
『仙蔵、長次…みんな、大丈夫かな…』
伊｢あの二人がきっと連れ戻してくるから大丈夫だよ。あの三人はほんと世話が焼けるね。どうせ脅かそうとでもしてるんだろう｣
私を元気づけようとしてくれているのだろうけど、伊作も少し手が震えていた。伊作も本当は反対していたんじゃないかって、この様子から思う。
その時が来るまで、それ程時間は経過しなかった。
伊｢ん？｣
『仙、蔵？』
ぼんやりと注連縄の奥に仙蔵らしき姿が見えて、安心した。
伊｢仙蔵！あの三人は居たかい？もしかして脅かされたかなんかで拗ねてる？｣
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雅 - ふたばさんが描いたイラスト、華やかさがあって可愛いらしいなぁーっと思って😅(笑) (2022年8月6日 23時) (
レス) @page22 id: 977bcdf555 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 作成していた映画での小説、お疲れ様です🤗🫧✨ (2022年8月6日 22時) (レス) @page22 id: 977bcdf555 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピーナッツ | 作成日時：2022年7月22日 7時
