無駄な着付け ページ19
『気を引くって、走り回ればいいかな？』
長｢ぶっっ｣
『え？長次？』
文｢長次耐えろ｣
長次はそっぽを向き、肩をわなわなと震わせていた。さっき何か破裂したような音がしたけれど、大丈夫かな。
仙｢走り回るってお前な…着物を着てどうやって走るつもりだ｣
『それはこう…裾を上げて…』
留｢や、やめろ！！｣
文｢そんなはしたないっ！！｣
動作をすると、赤くなって叫ぶ犬猿に恍けた。
だって…着物を着て逃げる訓練にもなるでしょう？
伊｢ま、まあ確かに気は引けるだろうけど｣
仙｢却下だな｣
シュンとする私を、何故か普段より表情が動いている気がする長次が慰めてくれた。
小｢中々大胆だな！｣
『そ、そう？』
実践授業は明日。腑に落ちないまま今日は早く寝て、明日に備えた。
＿
『な、なに……これ……』
当日の昼。
昼食を食べ、部屋に戻った時。見知らぬ布が部屋の真ん中に堂々と置いてあることに気付いた。
綺麗に畳まれているやけに派手な色の布。目を奪われるその鮮やかな色合いからは、相応しくない嫌な気が漂っていた。
『うっやっぱり……』
ソレを広げてみると、それはそれは美しい着物。
橙と黄色を混ぜた淡い色を基調とした着物。その上を赤、桃色の梅や桜の花が散りばめられている。
その色と豪華な文様から滲み出る美しさ。嫌でもそれが分かる。
『これを着ろと…置いたのは多分、山本シナ先生かな…』
毎度おなじみ山本シナ先生。ノリがいいのか、手を貸したいという優しさか。何方にしろ犯人は変わらない。
『出かける前に着替えないと……一人で…やるしかないかな』
着付けは簡単なものじではない。
布を内側から巻いていけばいいだけに見えて、それは大間違いだ。一人で易々とできることではない。私なんて勿論着る機会が無いので慣れていない。が、
『嫌という程シナ先生に教えられたから、少しは』
そう。女の子だから。と、何回もシナ先生には着付けを教えられていた。
間違ったら直ぐ指摘してくれるし、分かるまで教えてくれる優しいお姉さん的存在。
『でも六年生たちに簡単に便乗するのはちょっと…やめてほし、い、か、な』
長襦袢を締めながら、シナ先生の困っちゃうけど好きなところを呟いた。
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雅 - ふたばさんが描いたイラスト、華やかさがあって可愛いらしいなぁーっと思って😅(笑) (2022年8月6日 23時) (
レス) @page22 id: 977bcdf555 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 作成していた映画での小説、お疲れ様です🤗🫧✨ (2022年8月6日 22時) (レス) @page22 id: 977bcdf555 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピーナッツ | 作成日時：2022年7月22日 7時
