隠れ場所 ページ11
ギィと唸る重い戸を開けて、薄暗い煙硝蔵の中に私たちは足を踏み入れた。
『さむっ』
小｢そうか？涼しくて気持ちがいいぞ！｣
冬ではないのにひんやりとした空気が肌をなぞる。これは冬にタカ丸さんが甘酒を欲しくなるのも分かる。
『でも物が少ないし、隠れられる所なんて…』
小｢んーー……あ！｣
少し見回してソレが小平太の目に留まる。
其処にあったのは、ギリギリ人が入れそうではある、深く大きな木箱。重い蓋を小平太が開けると中には何も入っておらず、空箱だった。
『え？この中に？狭そう…』
蓋には埃が被っていたし随分と使われていないようだが、その大きさと雰囲気からは、何か異様な空気を感じた。
小｢ギリギリ入れるってとこだな！金吾相手だからこのくらいの加減でいいだろう！｣
『そう？じゃあ頑張って！』
小｢何言ってんだ？お前も一緒に入るんだ！｣
『ええっ！？』
なんとなく流れで逃れられるかと思ったが甘く見すぎていた。
小平太は薄暗さを照らすような笑顔を向けてくる。
小｢ほら、入れ！｣
さっさと箱に入ってしまい、蓋を掲げて早く入れと呼ぶ。
『入れって…言われても……』
小平太が膝も腰部も曲げないと入れない箱。もう既に窮屈そうなのに、何を言っているんだ。
『私が入れる隙間無いよ…小平太が潰れちゃう』
小｢大丈夫大丈夫！ほら早く！｣
『でも…』
｢ななまつせんぱーいっ！どこですかーっ！｣
小｢まずい金吾だ！A早く！｣
『え！え！もーーっ…！！』
小平太と金吾の声に急かされ箱の中に飛び込んだ。
直後に小平太が蓋を閉め、息を潜める。
流されてしまったが、これは…やってしまった……
『まっっ…！？！？』
小｢しっ｣
殆ど見えない箱の中、小平太の乾いた声で息をも止める。
鼓動が強くなり、手を当てなくても胸の内側が叩かれているのがよく分かる。
膝を立て広げられた足と、唯一空間のある小平太の身体の内側の上に入り込むしかない必然性。
そしてこれも必然的に小平太の胸に縋っていると、小平太の鼓動も速い気がした…
金｢こっちで物音がしたような…｣
そこへ物音を聞き付けた金吾の声が流れてくる。
恥ずかしさと緊張で暗闇の筈なのに、目が点滅しているような。
本当にこんな状況、許されるのかと小平太の身体の中で身体を震わせ、金吾が見逃すのを待った。
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雅 - ふたばさんが描いたイラスト、華やかさがあって可愛いらしいなぁーっと思って😅(笑) (2022年8月6日 23時) (
レス) @page22 id: 977bcdf555 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 作成していた映画での小説、お疲れ様です🤗🫧✨ (2022年8月6日 22時) (レス) @page22 id: 977bcdf555 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピーナッツ | 作成日時：2022年7月22日 7時
