当たりますように ページ38
小「A、なんだそれ?」
『クジだよ。吉野先生に頼まれたの』
小「私が持ってやろう!」 グイッ
『あ、いいよいいよ。重くないし』
半強制に私の手から箱を取り、わざわざ上に掲げてすたこら歩く。文次郎くんと留三郎くんが箱を奪おうとしているから、多分取られないようにする為なのだろうけど。
小「細かいことは気にするな!」
『あ、ありがとう』
『あれ、そういえば伊作くんは?』
留「あぁ、用があるから先に行っててくれと言われたのだが」
長「用?」
留「詳しい事を聞く前にさっさと行っちまった」
こんな時にどうしたのかな…
少し気になるが伊作くんなら大丈夫だろうとこちらの用を急いだ。
文「俺に持たせろよ!」
小「はは!やなこった!」
会場に着くと上級生が数人居て、後から下級生が入ってきた。
各々選ばれた代表者たちだ。
『ん?ねぇどうして五年生や六年生は同じ組から出席してる人も居るの?』
これはお知らせを見つけた人が代表として引く筈。
文「競技の中に委員会対抗戦もあるらしいんだ」
『あーだから』
吉野「集まりましたか?」
残りのクジを運んできた吉野先生がお見えになった。
『あ、吉野先生。他は集まったのですが、伊作くんだけ用があると言って居なくて…』
吉野「そう…ですか。でもまあ手は打ちますので取り敢えず始めましょうか」
『みなさーん!始めますよー!』
前に様々なクジを並べ、ついにクジ引きが始まる。
『順番にクジを引いてくださいね』
仙「その前に…」
『ん?』
私が宣言した直ぐに六年生が口を挟んだ。
文「なんで」
長「そんなに」
文、留、仙、小、長「クジ引きが沢山あるんですか?」
『私も詳しく聞いてないんですが?吉野先生』
吉野「そんなことは気にしなくていいです」
しかし吉野先生は教えて下さらなかった。
小平太くん、こういう時こそあの台詞でしょ?
『じゃあ六年生のクラス代表から引いてください』
学年順に並び箱から紙を引いたり、新井式廻轉抽籤器を回したり、あみだくじに名前を書いたり。方法は様々。
小「当たりますよーにっ!!」
『当たりとか外れとかじゃないからね(汗)ほら、長次くんから名簿受け取って名前書いて』
まるで小さな子供のお世話をしているようだ。
『と、留三郎くんまだ?』
留「んーーあーー」
箱の中の紙を手で撫で回し、中々選び取ってくれない。
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さくら - 愛され具合がすごく好きで拝見しております。勘違いだったら申し訳ないのですが、大運動会の借り物競争前のメンバー紹介で、図書委員に三郎がいるのですが図書委員は雷蔵ではないでしょうか…? (2023年1月30日 14時) (レス) @page50 id: 2f0ccbd8ed (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ - 大運動会は私の好きなお話なので書いてくれて嬉しいです!次回も楽しみに待ってます! (2022年8月31日 18時) (レス) @page37 id: 212776a6be (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あー、、待ってました!! 四年生のやつ、、急いで見ましたwww 夢主ちゃん👍 (2022年8月20日 9時) (レス) @page32 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
雅 - ここからの続きは、私にとっての…問題があります…😭😭※綾部喜八郎君のこと(汗) (2022年8月17日 23時) (レス) id: 5350ed7739 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 第一ポイントの審判は久々知兵助君でしたけど、代わりに夢主さんがお手伝いをすることに設定したんですね!😀読んだらなんかハラハラ、ドキドキでした!!😰💦 (2022年8月17日 23時) (レス) @page26 id: 5350ed7739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふたば | 作成日時:2022年7月17日 22時