勝利は誰の手に ページ17
アイツらには負けたくない。
Aと他の奴が抱擁しているところなんて見たくない。自分が彼女を包み込みたい。
そういう思いが更に彼らの足を速く回していた。冷静なんて言葉は今や捨てた。
留「こんなこと、伊作じゃないし言いたくねぇが…」
六年生「不運だぁぁっ!!!……」
六年生「はぁっっ!?!?!?」
この珍事に気付いたのは、六つの筈の声が少しのズレも生じず、一つに重なったからだった。
鉢合わせなんてほぼ有り得ないと言ってもいいし、そもそも予想すらしなかった。
それでも六年生の六人全員が、其の場で顔を合わせてしまったのだ。
留「なんでお前らが居んだよっ!?!?」
文「それはこっちの台詞だっ!!」
伊「ま、まさか六人全員会敵してしまうとはね(汗)」
小「偶然にしても度が過ぎるな!!」
仙「どうしてこういう時ばかり気が合う…」
長「だがまだ誰も辿り着いていないという証明になった…」
そう。皆、出遅れたことをかなり焦っていて、今まで死にものぐるいで走ってきたのだ。もし誰かに先越されていたら…と、不安感を抱いて。
しかし予想外にも鉢合わせしたことで、まだ誰も辿り着いていない。つまり、まだ己には勝ち目があるという希望でいっぱいにしたのだ。
小「なはははっ!!この勝負、私が貰ったぁ!!」
文「何を抜かすっ!!俺が一番だっ!!」
留「お前なんかに負けてたまるかっ!!」
仙「(いっそ宝禄火矢で…)」
伊「負けたくないぃぃっ!!!」
長「私が…私が…私が…!!」
肩をぶつけ合い、押し合い、罵り合いながら。
走る。走る。走る。
六年生「ぜってぇ(絶対)負けねぇっ(負けないっ)!!!!!!」
道端の草が千切れそうな程速く。
自然の風を感じない程速く。
忍術学園の長い土塀が、自分たちの背後に吸い込まれていくように見えた。
正門が見える。
全員が、手を伸ばす。
最後の追い上げを、六人が仕掛けた。
六年生「うぉぉぁああぁあっっ!!!」
勝利の女神は、一体誰に微笑むのか__
六年生「俺/私/僕がぁぁぁぁあっっ!!!!」
ギィ
小松田「たっだいま〜!」
六年生「あ゛ぁぁあぁああぁぁぁ!?!?」 ズサーッ
小松田「全速力だったから、森を飛び出した時に危うく門に頭ぶつけちゃうとこだった〜(汗)」
『あ、小松田先輩!何処行ってたんですか〜私が留守の間、僕に任せてって仰っていたのにぃ』
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さくら - 愛され具合がすごく好きで拝見しております。勘違いだったら申し訳ないのですが、大運動会の借り物競争前のメンバー紹介で、図書委員に三郎がいるのですが図書委員は雷蔵ではないでしょうか…? (2023年1月30日 14時) (レス) @page50 id: 2f0ccbd8ed (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ - 大運動会は私の好きなお話なので書いてくれて嬉しいです!次回も楽しみに待ってます! (2022年8月31日 18時) (レス) @page37 id: 212776a6be (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あー、、待ってました!! 四年生のやつ、、急いで見ましたwww 夢主ちゃん👍 (2022年8月20日 9時) (レス) @page32 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
雅 - ここからの続きは、私にとっての…問題があります…😭😭※綾部喜八郎君のこと(汗) (2022年8月17日 23時) (レス) id: 5350ed7739 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 第一ポイントの審判は久々知兵助君でしたけど、代わりに夢主さんがお手伝いをすることに設定したんですね!😀読んだらなんかハラハラ、ドキドキでした!!😰💦 (2022年8月17日 23時) (レス) @page26 id: 5350ed7739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふたば | 作成日時:2022年7月17日 22時