【忍たま】私、事務員になります。 15

家庭の味 ページ12

利吉｢それは良かった。小松田くんはどうだ？｣

『小松田先輩ですか？』

利吉｢彼のへっぽこぶりも絶好調かい？｣

『あ、はい、そうですね(笑)でも私が助けに走っていますので！』

利吉｢はは！小松田くんもAくんが来てくれて大分助かってると思うよ。良い後輩を持った｣


"良い後輩"という言葉に照れくさくなった。


『えへへ(照)お役に立てているといいんですが』

利吉｢勿論、立っているさ｣

『ありがとうございます(照)』

土井｢この前も小松田くんが書類の山を運んでいて転びそうになった時、私よりもAくんの方が手を出すのが早かったもんな｣

『あの時ですか？土井先生見ていたんですね(笑)』


あの時は危なかった。もう少しで書類が散らばって回収作業をしざるを得なくなるところだったから。


土井｢瞬発力中々だったぞ？｣

利吉｢凄いじゃないか｣

『え〜？そうですかぁ？照れちゃいますよぉ///』


二人からのお褒めの言葉が私をくすぐる。土井先生にも限らず、あのフリーの売れっ子忍者の利吉さんにまで褒めてもらえるなんて。


利吉｢(土井先生、褒め方が甘々ですよ)｣ ﾋｭｯ

土井｢(利吉くんこそ、私に共感するだけでは駄目だなぁ)｣ ﾋｭｯ ﾋｭｯ

利吉｢(私が本気でAくんを褒めたら土井先生が何も言えなくなって、可哀想だと思いましてね)｣ ﾋｭｯ ﾋｭｯ

土井｢な、なんだと｣

きり｢『んえ？』｣

土井｢あ、いや(汗)｣

利吉｢ふふっ｣

『どうかしました？』

利吉｢いや。なんにも｣

土井｢(利吉くんめぇ…)｣

きり｢できた！｣


知らずに二人の喧嘩腰の矢羽根が飛び交う中、きり丸は雑炊を作り上げた。


土井｢お、きり丸出来たか！ありがとな！｣

きり｢はい！どうぞ召し上がってください！｣


お椀にまでよそってくれて、きり丸くんから雑炊を受け取った。


『わぁありがとう！きり丸くん！』

きり｢いえいえ！｣

土井｢じゃ、｣

土井、利吉、きり｢『いただきまーすっ！』｣


さっそく一口。熱々の雑炊を口に流した。


土井、利吉｢ん゛っっ｣

『ん、ん〜？』

土井、利吉｢薄いっっっ！！！！｣

『薄い…』ﾎﾞｿｯ

きり｢へ？そうっスか？ﾑｸﾞﾑｸﾞ｣


ご馳走になっていながら申し訳ないんだけど…殆ど味のしない雑炊…
土井先生たちの家庭の味はこんな感じなのかなと思ったが、二人の反応から見てそれは違うみたい。

お父さん？恋仲？→←鈍感な四人組

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す