鈍感な四人組 ページ11
ｻﾞﾜｻﾞﾜ
利吉｢Aくんは土井先生の家は初めてかい？｣
『はい。きり丸くんに誘われて遊びに行きます！』
利吉｢そうか。今度は私の家にも遊びに来るといいよ。新しい事務員の子だと言ったらとても興味津々でいてね｣
隣で笑う利吉さん。こうやって町中を歩きながら並んで話すのは初めてで、顔が引きつっていないか心配だ。
『利吉さんのおうちに？なんだか緊張して行きずらいですね(笑)』
利吉｢ははっ私の母は友好的なので気軽に話して大丈夫だよ｣
ｻﾞﾜｻﾞﾜ
『そうですか！では一度お会いしてみたいですね！』
利吉｢ああ。母に伝えておくよ｣
きり｢土井先生、なんだか周りの視線が痛い気がするんスけど？｣
土井｢確かにな。どうしてだろうなぁ？｣
きり｢きっとAさんや利吉さん、土井先生が容姿端麗、眉目秀麗だからだ｣ ﾎﾞｿｯ
土井｢きり丸、何か言ったか？｣
きり｢いーえ！なぁんにも！｣
きり丸が言った事は間違いない。
町行く人はかなり目立つ、この四人に振り返っていた。それはきり丸も理由の中に含まれていた。
将来美男子期待の男の子を連れ歩く、爽やかな顔立ちで高身長の男。
二人の後ろを歩く、其の可憐さを映えさせるように黒髪を靡かせる美少女、隣を歩く、凛々しくこれまた端正な顔をした青年。
町人たちが思うのは皆同じ。
町人｢(どういう関係の人たちだろう…？)｣
少し賑やかさが落ち着いた辺り。土井先生の家の前に着いた。
きり｢ただいまーっ！！｣
土井｢おかえりきり丸｣
きり丸くんがいち早く家に飛び込むと、ばーっと窓を開けた。
土井｢狭い所だけど上がってくれ〜｣
『お邪魔します！』
利吉｢お邪魔します｣
草履を脱ぎ揃え、土間から板の間に上がる。
真ん中には囲炉裏があり、其れを囲むように土井先生は四つの円座を敷いた。
土井｢さ、座ってくれ｣
利吉｢『ありがとうございます』｣
きり｢せんせー雑炊作りますかー｣
土井｢おーそうだな！あ、それはいいんだが今日くらい薄めず作れよ？｣
きり｢あ、はーい｣
囲炉裏に囲炉裏鍋を置き、手馴れた様子で雑炊を作り始めた。
利吉｢どうだ？最近は｣
『はい。毎日楽しくやってます！事務もお使いも慣れたものです！』
私がそう言えば、利吉さんは表情を綻ばせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくら - 愛され具合がすごく好きで拝見しております。勘違いだったら申し訳ないのですが、大運動会の借り物競争前のメンバー紹介で、図書委員に三郎がいるのですが図書委員は雷蔵ではないでしょうか…？ (2023年1月30日 14時) (
レス) @page50 id: 2f0ccbd8ed (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ - 大運動会は私の好きなお話なので書いてくれて嬉しいです！次回も楽しみに待ってます！ (2022年8月31日 18時) (レス) @page37 id: 212776a6be (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あー、、待ってました！！ 四年生のやつ、、急いで見ましたwww 夢主ちゃん👍 (2022年8月20日 9時) (レス) @page32 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
雅 - ここからの続きは、私にとっての…問題があります…😭😭※綾部喜八郎君のこと(汗) (2022年8月17日 23時) (レス) id: 5350ed7739 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 第一ポイントの審判は久々知兵助君でしたけど、代わりに夢主さんがお手伝いをすることに設定したんですね！😀読んだらなんかハラハラ、ドキドキでした！！😰💦 (2022年8月17日 23時) (レス) @page26 id: 5350ed7739 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふたば | 作成日時：2022年7月17日 22時
