疲れ以上の ページ21
｢俺は……｣
そんな質問は困る。何と答えればいいのか分からない。
｢なにニヤニヤしてんだよ｣
『ん？文次郎はどっちなのかなって』
面白く思うように、顔が緩んでいるのが分かりやすい。
さっき俺がしたように、照れくさくいじける俺を転がしてやり返してきた。
｢だから、俺は｣
『あ！』
Aが空を見上げながら声を放つ。
『長次がボーロ焼いてくれてたの忘れてた！小平太に食べられる前に行かなきゃ！』
｢ごめん！｣と言い、くるりと長い髪が揺れる。
俺は反射で考える前にAの手首を掴み取ってしまった。
当たり前に驚いた顔の彼女が振り返る。
｢俺は……嬉しい…｣
『ぇ』
地面から視線を上げると、きょとんと俺の言葉を考えている彼女が目に映った。
｢してくれるのが……お前なら｣
『えっ…！？な、なんて…』
言うことを言ってさっさと目を外した。
後輩たちの話を盗み聞きして、嘘だと思いながらもそうだったらいいのにと密かに期待していた。
挙句にはAの前でこんな女々しいことを口にして…俺はどうかしてる。
『……そ、それって…つまり…』
｢こ、これは試しだ…本当に、解消できるのか…｣
また目を逸らした時、Aが動いた。驚いて動きがゆっくりに見える。俺の身体は動けなかった。
腕と身体の隙間を通り、俺の身体を包むのはAの腕だ。
俺の胸に顔を押し付け聞き取りずらい声でぼそぼそと言っている。
『こうするんだよ……』
そう聞こえた。
息を呑み、震えを知られないようにそっとAの身体に触れた。すると彼女の身体が大きく息を吸ったように膨らん後、また元に戻っていった。
『…な、何か言ってよ……』
｢え、……な、何かってなんだよ…｣
するとのそのそと顔を上げるものだから、ばちりと合ってしまった。
至近距離の瞳に吸い込まれかけた。
『……知らない』
｢は、はぁ？｣
｢いたっ｣
突然背骨が痛んだかと思えば、Aが離れていった。
原因は彼女が拳で背中をぐりぐりと押したことだ。
恥ずかしさからかその表情は少しむすりとしていた。
『疲れ取れた…？』
｢ん……お、おう…なんか、軽い気がする｣
信じられないとAは笑う。しかし本当なんだ。
疲れが感じられない。忘れてしまった。
彼女が言うように、嬉しさが疲れに勝った、そんなように思える。
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雅 - 映画🎞、、、私も気になりますので、楽しみにして待ってまーす🧝🏻♀️🍀 (2022年6月21日 16時) (
レス) id: a363e94967 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 映画だ！ 楽しみです✨ 文次郎確かにカッコいい！！ まぁ私は箱推しだけどね！！www (2022年6月21日 12時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - トミーさん！わぁい🤭本当ですか！😆💕お仲間ですね( -∀-)無理せず楽しく続きを書きますね！👍コメントありがとうございます😊💕 (2022年5月31日 6時) (レス) id: 6a480499af (このIDを非表示/違反報告)
トミー - 初コメです！私も潮江文次郎推しなのでめちゃくちゃ嬉しいです！続きが楽しみです無理せず頑張って下さい！ (2022年5月30日 17時) (レス) @page21 id: 262146dfd0 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - (//∇//) (2022年5月29日 17時) (レス) id: 6a480499af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふたば | 作成日時：2022年5月10日 6時
