女の子の事情の段 ページ33
ムクッ…
『ぅぅ、………お腹痛い…気持ち悪い…だるい…』
『(これは来たかな…)』
例の日が。
『はぁ…今月も来てしまった……この時だけは男に生まれたいと思うよ………』
起きた瞬間、私は察した。
締め付けるようなお腹の痛み、吐き気、そして起きたばかりなのにこのだるさ。
地獄の"女の子の日"だ。
『あぁ…仕事……』
体は悲鳴を上げているが、事務の仕事を休むわけには…
『ハックシュンッッ…』
こういう時、体を冷やすの良くないんだけどな…
例え冷風に吹かれ、落ち葉が舞う寒い朝でも。例え体がだるくとも。
小松田先輩一人に全てを任せるわけにはいかない。
体を縮こませて落ち葉を集める。
謎のプライドのようなものが私の中にはあった。
ヒューーー
『ブルッ……あ、、、』
集めた落ち葉が一瞬の強風で散らばった。やり直しだ。
ただでさえ今日は気分が晴れないのに。仕方なく重い足取りで離れた落ち葉を集めにいく。箒は杖代わりだった。
この時私は気付いていなかった。
どれほど私がフラフラと体を横に揺らしながら歩いていたということを。
後もう一つ、
文「お、A〜!」
『……』 フラッ…フラッ……
文「Aー?」
『っ…………』 フラッ
文「お!?!?」
トンッ
『フゥ……ぅぅ…(きもち…わるぃ……)』
次を踏み出す時、強い目眩と吐き気に襲われ、倒れ…なかった。
あまりの体調の悪さに呼吸が荒れる。外は寒いし、お腹もあまり冷やしたくない。
でも今動いたらほんとに吐いてしまいそうだ…
文「A!!!大丈夫か!?」
『え、…あ、文次郎くん……?』
虚ろな目で見上げると、すぐ上に文次郎くんの顔が。
倒れなかったのは、こうして文次郎くんが私の体を支えてくれていたからだった。
文「さっきから呼んでも返事がねぇし…」
『え、…呼んでたの?』
何も耳に入っていなかった。もしかしたら見えてもいなかったのかもしれない。
『ごめん、気付かなかった…』
文「…顔色悪いじゃねぇか。体調悪いんじゃないか?」
『…うん……』
文「体も震えてるし。手も…ほら、こんなに冷てぇ。」
私の手を文次郎くんが包む。こんなに寒いのに、熱い文次郎くんの心のように手も温かかった。
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ピーナッツ(プロフ) - おやそうでしたか!(笑)失礼しました(笑) (2022年3月19日 13時) (レス) id: 6a480499af (このIDを非表示/違反報告)
セシルン(プロフ) - 私のリクエストにあったのでご安心ください笑 (2022年3月19日 13時) (レス) id: 23bae16f03 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - セシルンさんほんとですか!!(汗)どこでしょーか!💦 (2022年3月19日 13時) (レス) @page37 id: 6a480499af (このIDを非表示/違反報告)
セシルン(プロフ) - すいません誤字がありました 伊作を飲んでではなく伊作の薬を飲んでです笑 (2022年3月19日 13時) (レス) id: 23bae16f03 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - あいさん、saketyannさんありがとうございますっ…!泣きました。(´;ω;`) (2022年3月19日 8時) (レス) @page45 id: 6a480499af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふたば | 作成日時:2022年2月26日 7時