【水溜りボンド】透明な君。【カンタ】

8話 ページ9

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「ええええどうしたの？どうしたの？」


目の前で泣かれて、俺はどうしたらいいのかわからなかった。

女の子はこうやってすぐ泣くからどうしたらいいのかわかんないんだよなぁ。

元カノもこうやってすぐ泣く子だっけ。

…思い出さなくてよかったのに思い出してしまった。


『…ごめん、なさｯ…ぃ』


しゃくり上げながら何度も謝る姿が痛々しくて胸が痛くなった。

俺はどうするのが正解なのだろうか。

本当に女の子はわからない。


「えっと…んー…俺には謝ることないよ。俺が無神経なことをしたからだしね？」

『で、でも……』

「でもじゃない！」


できるだけ優しくそう言えば笑いかけた。

気持ちは伝わってるのかわからないけど。

泣いている女の子に泣かないでって言うのは違う気がした。

無責任じゃない？


「もう何もしないからね。ごめんね無神経なことして」

『違うんです……』


突然の否定に俺はどう反応すればいいのかわからず、首を傾げた。

何が違うんだろう？

中途半端な同情はいらないって言われたら何もしないのがいいんじゃないの？

どうしたらいいの？


『失いたくない、です』

「え？」


彼女の発言に矛盾を感じた。

だって、同情するなら死んでって言われたんだよ？

そんな子に失いたくないって…。

俺どうしたらいいんだよ…。


『久しぶりに会話できたんです…。それが嬉しくて。なのに私が怒鳴っちゃって…しかも死んでって言っちゃって。ずっとずっと後悔してました。夜中は眠れずにずっと考え事をしてました』


うつむき加減でそう言う彼女は寂しげだった。

だからって俺はどうしたらいい…？


『本当にすみませんでした。かんたさんが嫌なら私はここから消えます。でも…もし話してもいいよって言ってくださるなら…ここに居させてください。話し相手になってくれませんか…？』


そういうことか。

寂しいんだ。

…ってまた同情を繰り返すのはやめておこう。

俺も話したかった。

はじめさんやHIKAKINさんを好きなのは同じらしいし…趣味は合うんじゃない？


「俺は怒ってないよ。君さえよければぜひここにいて？」


俺はそう言って笑った。

彼女もつられて笑ってくれた。

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