9話 ページ10
富永side
・
「……?」
なんとなく、Aさんの声が聞こえた気がした。
変態みたいだけど、そうじゃなくて。
怒声のような、悲鳴のような…。
今日はアルバイトが入っていて、居酒屋にいるわけだが。
好きすぎて幻聴でも聞こえてんのかな、怖すぎ。(笑)
それに、彼女の怒る姿は見たことがないからそんな空耳なかなかないよ。
Mじゃないから怒られる妄想とかもしないのに。
…どうしたんだろう。
『いい加減にしてください!!!!』
…空耳じゃねえな。
フロアにいるのか?
なんで?
俺は厨房から一目散にフロアへ駆けた。
「ちょ、先輩焼き場頼みます!!」
センパイ「え?!ちょ、富永?!」
きっと、過去一慌てている俺を見て、先輩も只事じゃないと思ったらしい。
すぐに了承の声が後ろからした。
俺もここまで慌てたことがあるとするなら、渓流釣りでクマに襲われたときくらいだな。
…なんて呑気に言っている場合じゃなかった。
半個室の居酒屋の客席はAさん一人を見つけるのは難しいところだ。
でも厨房まで声が聞こえたということはそこまで離れていないはず。
…どうしたんだろう。
焦りと不安で頭がいっぱいだ。
「Aさん?」
何事も無かったかのように平然と人探しをするかのような声掛けをした。
これで返事が来れば完璧だ。
『え?富永くん?!』
どこかの席からAさんの声がした。
多分、この横の……
「Aさんまた会いましたね」
やっぱりいた。
男連れだった。
でも明らかに空気が悪かった。
Aさんは男に腕を掴まれているが、全く怯んでもいないような表情だ。
普通に夫婦喧嘩みたいだ。
…いや、夫婦喧嘩とかないわ。
さすがにそんな関係じゃないだろうし…。
『富永くん』
サカシタ「…誰?」
名も知らない男が俺を睨みつけた。
コイツ本当に大人か?
自分は名乗りもしないくせにタメ口で誰とか聞いてくんじゃねーよ何様だクソジジィ。←
「僕はAさんの後輩の富永知義です。」
ここでそんな暴言を吐いたら負けだと思い、抑えて俺は自己紹介をした。
こんな精神年齢低そうなジジイと同レベルなんて言われたら心折れるわ。
…口悪いな。(作者が)
「…てかその手離してもらってもいいすか。嫌がってるじゃないですか」
サカシタ「チッ…うるせーな」
乱暴にその手を離せば、俺に向かってこう言った。
サカシタ「ガキが調子乗ってんじゃねえ」
いや、お前だよ( ˙-˙ )
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まのん(プロフ) - 夏花さん» 本当にありがとうございます;;;;R18フラグ立てましたがよければ続きもご覧下さい!カンタくんは可愛い生物だ! (2018年5月5日 4時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
夏花(プロフ) - 2度目のコメント失礼します。ドキドキしながら見ています。かんたくんのかわいさがとてもきゅんきゅんきます!次回も楽しみにしてます!!! (2018年5月5日 0時) (レス) id: 6bd655e2cc (このIDを非表示/違反報告)
まのん(プロフ) - 夏輝@抹茶オレさん» 大人っぽい彼らを描けていたら嬉しいなと思います!自分自身見たかったので(笑)もっともっと頑張ります!応援よろしくお願いします! (2018年4月30日 19時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
夏輝@抹茶オレ(プロフ) - はじめまして、いつも更新を楽しみにしています。他の水溜りボンドの小説とは違うちょっと大人テイストの小説、初めて見たのですがすぐに引き込まれました!新鮮でいいですね(^^)これからの展開が楽しみです! (2018年4月30日 19時) (レス) id: bad733541a (このIDを非表示/違反報告)
まのん(プロフ) - 夏花さん» 本当にありとがうございます;;;;自分の力になります!!earnestは皆さんあんまり好まれないかな...とか思ってたんですけど、夏花様のような方がいて下さって本当に助かります。ありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願い致します! (2018年4月30日 10時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まのん | 作成日時:2018年4月23日 15時