2話 ページ3
富永side
・
朝、目を覚ました。
隣で眠る名も知らない女の子。
そういえば、なんて夜のことを思い出せばただひたすらにトイレで吐いた。
こんな不真面目な習慣が俺の身についてきてしまったのだ。
こんな姿Aさんが見たらどう思うだろう。
幻滅するかもしれない。
でも、欲求を満たす方法が見つからないのだ。
やっては、吐いて。
気持ち悪くて体も擦り洗う。
ここまでして俺は何がしたいんだろう。
Aさんを頭で浮かべては他人と交わる。
不真面目ですみません、Aさん。
「…おい、起きろ」
名も知らず呼べない女の子を揺すって起こす。
起きたのを確認すれば、
「もう俺大学行くから。金は置いてる。払っといて」
そう言い、着替えてホテルを出た。
大学からそこそこ近いこのホテルは学生に人気の場所だ。
俺みたいな奴が沢山いるんだろうか。
まぁ、そんなことはどうでもいいけれど。
−−
大学に着けば人集りができているのが見えた。
何事だ?と思い、駆け寄るも他の人で前が見えない。
でも聞いたことのある声だと思った。
確実に俺の愛している人だったから。
『皆久しぶりだね、元気にしてた?』
キラキラと笑顔を振りまくその姿がちら、と見えた。
Aさんだった。
愛らしいその見かけは沢山の人を魅了してきた。
この人集りだって彼女を好きな人で沢山のはず。
『皆講義遅れるよ?』
うわ、やべ、きゃー!とかいろんな声が聞こえる。
バタバタとその場をかけていく学生。
俺も時計を確認するけど、そんなことはどうでもよかった。
『え!富永くん!!』
「お久しぶりですAさん」
わー!変わらないね!なんて数年ぶりかのような挨拶をするAさん。
あなたも相も変わらず可愛いですね。
会うのは数週間ぶりで、そりゃあ変わらないだろう。
でも、変わったとすればAさんの髪色くらいだ。
「髪、暗くなりましたね」
『ん?あぁ、会社がちょっと厳しめなんだよね』
苦笑いをして、軽く巻かれた髪を触るAさん。
余所行きかなような服と髪型だった。
どこに行くんですか、なんて聞こうとした。
カンタ「あれ、Aさん」
『きゃー!寛太くんも久しぶり!』
すると、ライバルが現れた。
俺の相方で、恋する相手が同じの寛太はきっと今同じ気持ちだろう。
幸せそうに笑うAさんと寛太に、何故か置いていかれた気がした。
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まのん(プロフ) - 夏花さん» 本当にありがとうございます;;;;R18フラグ立てましたがよければ続きもご覧下さい!カンタくんは可愛い生物だ! (2018年5月5日 4時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
夏花(プロフ) - 2度目のコメント失礼します。ドキドキしながら見ています。かんたくんのかわいさがとてもきゅんきゅんきます!次回も楽しみにしてます!!! (2018年5月5日 0時) (レス) id: 6bd655e2cc (このIDを非表示/違反報告)
まのん(プロフ) - 夏輝@抹茶オレさん» 大人っぽい彼らを描けていたら嬉しいなと思います!自分自身見たかったので(笑)もっともっと頑張ります!応援よろしくお願いします! (2018年4月30日 19時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
夏輝@抹茶オレ(プロフ) - はじめまして、いつも更新を楽しみにしています。他の水溜りボンドの小説とは違うちょっと大人テイストの小説、初めて見たのですがすぐに引き込まれました!新鮮でいいですね(^^)これからの展開が楽しみです! (2018年4月30日 19時) (レス) id: bad733541a (このIDを非表示/違反報告)
まのん(プロフ) - 夏花さん» 本当にありとがうございます;;;;自分の力になります!!earnestは皆さんあんまり好まれないかな...とか思ってたんですけど、夏花様のような方がいて下さって本当に助かります。ありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願い致します! (2018年4月30日 10時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まのん | 作成日時:2018年4月23日 15時