いらぬ子 (ページ5)

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膝丸視点

あぁ...押し入れの中に隠れてしまった...ポワッと目が見える...手をのばすが届かないようにさらに身を隠すだけだ...

「あ...兄者ァ...」

「仕方がないよ...環境の変化についていけてないんだよ...」

「それに...三条の連中をどうするつもりだ...!俺たちは前任のせいでさらに人嫌いは深刻なんだぞ...!」

「まぁ...でもあの子は人間じゃなくて鬼だよ」

「それでも鬼丸がいるのだ!子供の見た目でも切られるだろう!?」

「...うーん...それは困るなぁ...あの子それ以上死んだたらもっと浮世離れしちゃうし...」

「つまり...不死身なのか..?」

「多分ね...あの子は痛みになれてる...それにあの時鯰尾くんと骨喰くんの矢を2本受けたはずだけど傷はなかった...致命傷出ではなかったとはいえ...自己治癒も出来る凄い子だよ」

「しかし...兄者はなぜそこまで褒める?」

「それはね...ほら...出てきたよ」

押し入れの方を見ればひょこっと顔を覗かせていた...褒められるという事は頭を撫でてもらえる...と理解したのだろう...しかし本当にすっぽりと収まりそうな小柄さだ...小夜よりも若干大きいぐらいだろうか...

「げ...弟..隠して今すぐ」

「あぁ...分かった...いいか?出てきちゃダメだぞ」

『...ん』

さて...兄者ちゃんと計画はあるんだろうな...とさとさとは言ってきたのは殺気を飛ばす三日月...俺たちより練度が高いからな...少し身震いがでる...

「おや?珍しいねぇ...大広間から出てこないかと思った」

「...お主らが人間を匿ったと聞いてな...殺しに」

「え?僕達が?いやいや人間なんて嫌いだし...」

「...そうか...膝丸は何か知らぬか」

「...い...いや...知らんが...」

「そうか...所で....なぜ押し入れを抑えている?」

兄者がアチャーッと手を動かした...見れば無意識に押えて居たようだ...怖い...俺もいつこの子に絆されたのだろうか...護ってやらねばと体が動く...

「こ...これ以上は行かせん!」

「...膝丸よ...人間は殺さねばならん...神を裏切る人間など...」

「...そうかな...?中身を知ろうとしないで切り殺す方が酷いと思うけどなぁ」

「...俺らに優しくした前任も最初はそうだったでは無いか...人はどんどん醜くなっていく...!」

「ありゃ...やっぱり前任心は鬼だったわけだ...通りであの子は...まだ真っ白なのか...」

ざく...俺の顔の隣に三日月宗近の本体が刺さると同時にたらりと赤い血が滴る...ぴちゃん...ぴちゃんと静かな音が響いた