いらぬ子 (ページ20)

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愛染視点

主を追いかけて入った部屋は審神者...ただとことん趣味が悪い...小さな主だと色々と悪影響を及ぼしそうな...でもそんな密閉空間でも平然と漁る...短刀3振りと剣1振り...長義と山姥切の布の上に丁寧に置かれている...なんだよ...主...単独行動好きすぎか?

「主...心配してるぜ?」

『...別に....心配されてるとも思わない...心配されてるのは愛染だ』

「そりゃそうかもしれねぇけどよぉ...主..髭切と膝丸と鬼丸は主の事大事してくれてると思うぜ?」

『...そうだが...』

「それにあんなに話せんのになんで子供のフリしてるんだよ....俺黙ってるから教えてくれよ」

少し考えてからこっちを向いた...まだ悩んでそうだけど...それでも話してくれる見たいだ....

『...片割れは私が話すのを酷く嫌っていた...生みの親もだ...喉を重点的に痛めつけられたら声があまりでなくなった...だから話すのは慣れてない...説明も...頭でお前らの言葉は理解出来るから大丈夫だ...まぁ...好きにするが』

「なんかすげぇ壮大なんだが...」

『...この見た目...だいたい10のくらいか...頭金属バットで殴られてぼーっとしてて...いつの間にか山に捨てられた...頭が痛くなって気づいたら鬼になってた...それでばばに拾われた』

「えっと...つまり?」

『うちに一族は鬼姫さんの祟りがある...女はその祟りを姿に出やすい...ただ今回は私と片割れは私の方にしか祟りが目に見えて出ていた』

「じゃあ...主は捨て駒みたいにされたって事か!?」

『おそらく...?』

「じゃあなんで鬼姫さんは祟り始めてんだよ...」

『ばばが知り合いだった...確か...好いていた人間の男がいたらしい...猛アタックの末婚約まで嗅ぎつけた...だが私の一族の女がその男が欲しくて...鬼姫の首を絞めて殺した...鬼姫は恨みを持ってその女の一族を祟った...』

「うわ...人間って外道」

『だな』

「主は元人間?なんだろ...どう思ってたんだ?」

『...正直死んだって聞いた時...嬉しかった...でも...もっと頭おかしいのは生みの親の方だ』

すっと目を細めた....つまり喋らないのは喉を傷つけられた影響で声を出そうと思わなかった...いま話してるのは信用しているからか...あと主が妖で...でも鬼姫さんからはそう怨まれてない...逆に保護者のような祟りに変化してる...今も...か作業をしながら...丁寧に刀を探している...やっぱり主は十分いい子だよ