いらぬ子 (ページ15)

今日:24 hit、昨日:112 hit、合計:48,903 hit

14 ページ15

一期視点

本当にたくさんの資材を抱えて帰ってきている...だがそれは綾萌殿が持っているもので...その子が持っているのは...短刀が3振り...大事そうに抱えている...その中の一振は...私の弟で...前任に折られた....秋田の姿が....

「あき...た...」

『...あきた?....どれ?』

「こちらでございます」

『はい...どーぞ』

ずいっと私の前に出される...少し困惑したが理解した...彼女は具現方法が分かってないのだ...残りの2振りもよく見れば小夜左文字と愛染国俊と...何故かバラバラだが...この本丸にはいない...

「...良いですか?刀に霊力を流してください...そうすれば私達と同じ様に人の姿へとなれます」

『...?』

「まぁまぁ...それでは私達に理解は難しくてよ...A妖力を優しく流し込んであげてくださいまし」

『...うん』

「ありがとうございます...?」

「いいえ...妖力と霊力は同じような物でございますわ...第1私とばば様である程度教育はしております...賢く優しいこですが...それを表に出さないのか...あの子でございますわ」

綾萌殿がそう言った瞬間...予想外に霊力が溢れだしている...もしや3振り同時に...短刀だから出来るだろうが...自身の体を見れば傷が癒えてきている...おかしい...普通そんな事をする審神者は居ない...困惑と疑問で頭の中がぐちゃぐちゃになっていた瞬間桜吹雪の中から3振りの姿が現れた

「秋田藤四郎です。外に出られてわくわくします!」

「僕は小夜左文字。あなたは…誰かに復讐を望むのか...?」

「オレは愛染国俊！オレには愛染明王の加護が付いてるんだぜ！」

保護者の刀達が彼らに走る...もちろん私も...叔父上と鬼丸殿も...小さな体を折らないように抱きしめる...ボロボロと泣き出す者達もいる中...よく分からないようにキョトンとする秋田達...お礼を...そう思い顔を上げたが...消えている...

「...彼女は...」

「ご安心なさって...あの子はきっと皆様の傷のことも心配したのですわ...心優しいあの子のことでございます...想定より妖力を使い疲弊したのでございましょう....あの子にとって安全な場所にて休んでいますわ」

「じゃあ...僕は探しに行こうかなぁ」

「ダメだ兄者...空を見ろ...そろそろ日が沈む」

「髭切様...大丈夫ですわ...きっと起きたら帰ってまいります」

「綾萌さん...そろそろ」

「えぇ...それでは失礼致しますわ」

担当殿と綾萌殿がそういいゲートから出て行ってしまわれました...