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鶴丸視点
掃除をしていたら思いっきり扉が開いた....何だ切国が帰ってきたのか....そう思って振り向けば光坊がドアを開けた音だった...なんだ...切国じゃ...ないのか...
『どうしたんだ?光坊別に驚きを設置してるわけじゃ...』
「まんばくんが重症!意識不明!!」
「....え?」
「今言った通り...まんばくんが重症で意識不明...手入れ部屋で主が手入れしてくれてるけど....目覚めるかどうか...!」
『...他の連中は?』
「中傷で治まってるみたいだよ...重症だったのは...まんばくんだけ...!」
『...そう....か...教えてくれてありがとうな光坊...じゃあ俺は掃除の続きを...』
「...ッ!違うでしょ!?掃除は良いから僕達がやっておくから!!鶴さんはまんばくんの方に行って!恋刀なのに鶴さんおかしいよ!平然としてるの!」
何を間違えた?なんで光坊は怒ってる?肩が痛い...痛覚が通り越して感覚が無くなる....みしりっと骨の音が...するとスパンっと誰かが光坊を叩いたと思ったら伽羅坊だった...
「光忠...やめろ...」
「でも...でも!」
「動揺してるのはお前だけじゃない!1番動揺してるのは鶴丸だ!」
「え...?」
『...俺は大丈夫だ伽羅坊...ありがとうな...もう少しで両腕とおさらばする所だったぜ』
「...あまり1人にはなるなよ」
『...あぁ....大丈夫だ』
ようやく...少し理解し始めた...重症....そう...か....そう思ったら足が動き始める...廊下をドタドタと...雅じゃないと言いそうな歌仙を横切ったが何も言われなかった...手入れ部屋に手をかけ開く....そこに主とボロボロな...切国が....
『き....りくに...』
「安心しろ...生きてるから....」
『い....いやだ...おれ....もう....お前が折れるの見たくない....から...!』
「大丈夫だ...鶴丸一旦落ち着け...な?」
落ち着けと言われたから深呼吸をして落ち着かせる...カタンと音が鳴ったと思えば手伝い札...を俺にみせた...小さき者達がせっせと動き傷がみるみる塞がっていく....あぁ...良かった...
「じゃあ俺はここで...鶴丸...目を覚ましたら報告してくれよ」
『...あ....あぁ』
畳の上にごろりと転がって手を握る...暖かい...良かった生きている....俺が...触った冷たい刀ではなくて...ちゃんと柔らかくて...暖かい腕だ....良かった...良かった...生きてる...愛してる刀が...まだ....生きてる....その安心で疲れがどっと来たのか...意識がふっと飛んだ...握っている手に縋り付きながら
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作者名:のうな | 作成日時:2023年11月9日 21時