鳥と蛇 (ページ36)

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A視点

あぁ...きっとこれも記憶だ..でも...目があまり見えない...変わりに熱が見える..でもそれだけ...それに声は僕の声じゃなくて...白蛇の声...酷く荒らげてる気がする...

『どこだ...!くそ...小童どもめ...!!先走りおって...玄武!不動...阿修羅!...あぁ!こういう時に限って別行動じゃ...!』

視界が悪い...そういえば蛇は目が悪くてピット器官とかで見てるから..蛇である白蛇にはそれが色濃く出てるんだろう...時々なにかにぶつかったりしている...

『...くそぅ....我は扱うのが下手であるというのに...,仕方あるまい...!』

パッと視界が開ける..,その瞬間大地を切るように走り出した...ふわりと血の匂いが漂う...小僧共って...そういう事かと嫌でも見える.,.ボロボロになった朱雀と白虎さん...僕と白蛇は同時に口を開いた....大声で今にもトドメを刺しそうな相手に向かって....

『やめろぉぉぉぉぉぉ!!!』

「大丈夫か!?うぉ...!?」

『...け...が....ないか...?』

「お....おう...大丈夫だ...?」

「白虎貴様何をした!」

『朱雀!お...おまえも...けがは...ないか...?』

「...わ...我も?....怪我は...無いぞ?」

白虎と朱雀の頬をペちペちと交互に触る...息がまだ荒い...するとパンっと手を叩く音でハッと急に落ち着いた...

「落ち着け...大昔の話だからのぉ...多少は慣れよ」

『...そ...そっか....昔の夢か...今じゃ...ない....良かった...良かった....』

「わわ!?泣くなって」

「玄武がちょうどトウマに呼ばれておって良かった....」

『...ふ...ふたりだけ...さきに....行かないでね...?』

「...!わかった...無理はしないでおこう」

「...!あいよ...今度はちゃんと3人で行動しような」

白蛇の気持ち...やっとわかった...興味は無いわけじゃない...気分屋なわけじゃない...相手が分からないから...どう反応すれば良いのか分からなくて...朱雀とか白虎とか...もしかしたら不動とか阿修羅にもそうだったのかもしれない...でも...分かったから...相手の表情が分かるようになったから...表情を表に出せたんだ....心を許せたんだ...

『...だぁいすき....』

「俺もだーいすき!」

「我も好きだ!」

「絶対朱雀だけ違うのぉ...」

お母さんと一緒の時は...苦しかった...それが愛だと思ってた...でも...こっちの方が暖かい...優しくしてくれる...抱きしめてくれる...心がほわほわする...こっちが...あい?