鳥と蛇 (ページ32)

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白虎視点

今日は休めと他の奴らに言われたから...妖聖剣を持って家に帰ってくると...朱雀がのんびりくつろいでやがった...

「おぉ!おかえり白虎」

「おう!ただいま!玄武のじっちゃんは?」

「ある子供を引き取りに向かったぞ...我は知っておるが白虎とは...初対面だろうな」

「だからこの前じっちゃん俺の隣の部屋掃除してたのかよ...」

というか子供ってことは人間かよ...そう思っていたら玄武ともう1人の声が...Aと呼ばれていて玄武のじっちゃんがはっきり見えているからただもんじゃねぇな...とりあえず幻獣になってこっそり見てみるか...

「白虎...Aはいい子だから取って食うでないぞ...!」

「ガルル(いや俺初対面だし!)」

その後も部屋から出てきた玄武に注意されたし...でも...あいつの部屋からほのかに血の匂いがする...俺も中へ...と思ったら出てきた....なんだ...?見たことある容姿だな...

『...大きな庭....これ燃やしても良いよね...どうせ...先生にしかられるだけ』

そう言って庭の方を見たのでガウっと鳴けば...少し驚いた様子で当たりを見渡し俺に気づいた...どうだ!怖いだろう...だが相手はすまし顔で縁側に座った...その隣をポンポンと叩きこっちへおいでと言われている...これも見たことある...?

『...大きな白い虎...もふもふで....気持ちいい...』

「ガウ(当たり前だ!俺の自慢だからな!)」

『...ねぇ...聞いても良い?...みんなが....求めてる僕って誰なんだろう...化け物の僕...?それとも人間の僕...?それとも...剣武魔神だった...白蛇...?』

「(はぁ!?白蛇の生まれ変わりってまじで居たのかよ!?というか...死んでたのか...?あいつ)」

『...母さんは僕の事を化け物だと言って捨てた....友達や...妖怪たちは...きっと頼りになる白蛇の方を求めてる...玄武さんだって...朱雀だって....だれも....人間としての僕を誰も見てくれない...』

こいつ...一体どれぐらい溜めてんだ....?ってぐらいボロボロ涙が溢れ出てきた...もう...止まらない...ダムが崩壊したかのように...

『見てくれてる人もいると思う...でも...きっと他の剣武魔神も...僕じゃなくて白蛇に帰ってきて欲しくて...僕なんか....僕なんかぁ...!』

その後の言葉を塞ぐように...顔面に向けて擦り寄る...こいつはいま耐えられなくなったんだ...重ねて見られ続ける事に...優しい言葉は全部自分に向けられた言葉だと思ってない...少し眠ればいい...俺が話聞いてやるから