プロローグ ページ1
私は江戸の街で甘味処の娘として生まれた。
幼い頃からお店の手伝いをして、常連さんはもちろんのこと皆に美味しいお茶とお団子を提供するのが大好きだった。
そんな私は当時、家が近かった総悟と物心ついた頃から一緒にいた。
そして街中で犬に吠えられ怖がっているところを助けてもらったこともあった。
「こんな傷で泣いてんじゃねェ、ホントお前って弱っちぃな」
犬に追いかけられ、転んで怪我をした膝を見て、当時5歳の総悟にそう言われたのをよく覚えていた。
▽
総悟が9歳の時、江戸市谷にあった天然理心流の道場・試衛館で近藤さんの弟子になる。
私は女のため武術を学ぼうとは思わなかったが、総悟と一緒に居たかったため
よく試衛館に出向いては近藤さんや土方さん、総悟の姉のミツバちゃんに可愛がってもらっていたのだ。
▽
時は過ぎて総悟12歳、私11歳。
ある日の深夜、不逞浪士の斬り合いに巻き込まれ自宅である甘味処が全焼、両親も帰らぬ人に。
両親を失い、まだ幼かった私は急遽京にいる祖母の元へ移り住む事になった。
物心着いた頃から約11年間隣にいた総悟や試衛館のみんなに挨拶も出来ないまま、すぐに江戸を去ってしまったのだ。
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光莉 - 推しの作品をかいてくれて、ありがとうございます。 (2021年7月22日 14時) (レス) id: 6a7f4ce163 (このIDを非表示/違反報告)
華 - お話面白かったです! (2021年7月2日 18時) (レス) id: 8aded4ec4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ne6 | 作成日時:2021年6月21日 21時