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それがどうした ページ21

…どれだけ絶望的な状況下に立っていようとも、どれだけ覆しがたい壁が私の目の前に立ち塞がろうとも、どれだけ、苦しい未来が待ち構えていようとも、私のやるべきことは変わらない。逃げるなんて選択肢は、私にはない。そもそも、選択肢なんてものすら私の中には存在しない。やるべきことはただ一つだけだ。たった一つのそれだけで、私は強くいられる。それだけのことで、負ける気なんて失せていってしまう。


……200対1。それがどうした。


「…まぁ、何とかなりそうな数ではあるかもしれないな」


…そんな数字なんて関係無い。どんな状況だろうと関係無い。私は絶対に、必ず、私の居場所に帰るのだ。いつだって私のことを受け入れてくれた、護ってくれた、ここに居ていいんだよと手を差し出してくれた、私を迎えてくれる人達が居る、あの場所へ。


…真選組に、帰るのだ。
…それだけは、変わらない。



「……え、抜け出すも何も、ここに居るんじゃないんスか?」

「…ん?」


…と。不敵な笑みを浮かべ、武市や晋助に向かって宣戦布告でもしてやろうかと思っていた時。『貴方達の思い通りにはさせない』くらいの決め台詞を脳内で組み立てていた時。私の横でずっと会話を聞いていたらしい女の子が口を開いた。とてもとても、不思議そうな顔をして。キョトン、とした表情を浮かべて。恐らくこの場にいる誰よりも、純粋な目をして。

首をかしげて真っ直ぐに私を見据える女の子に、私は再度「…んん?」と聞き返した。なんだかまた、よく分からないことをぶち込まれたような気がするのだけれど、気のせいだろうか。気のせいだと言ってくれお願いだから。そんなことを心の中でその金髪の女の子に呟きかけるも、女の子は容赦なく続ける。「いや、だから…」と。


「…A先輩は、鬼兵隊に入るんスよね?」

「…んんんん!?」


…どうやら、聞き間違いではなかったようで。残念ながら、同じような言葉を繰り返されてしまった。さっきまで考えていたこれ以上ないくらいのカッコいい台詞なんてもう音をたてて崩れ去り、私の頭の片隅から溢れ落ちていっていた。最早それどころではない。

次の瞬間には、「はあああああああ!?」という私の叫びがこの場には響いていた。


「いや、いやいや、いやいやいやいや!!!」


聞いてないんだけど!!と。私は私の声に耳を塞いでいる武市に詰めより襟元を掴み上げた。訳が分からない情報を漸く理解出来てきたかと思ったのにまた更に分からないことを言われてしまい、変な汗がダラダラと出てくる。


…今なんつったあの子、私が鬼兵隊に入る!?

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真選組、攘夷   
作品ジャンル:アニメ
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- 長編小説って飽きやすいイメージがありますが、ピピコさんの小説は、全く飽きることがなく、むしろ読むたびに続きが読みたい!と思えます!最後までしっかりと読むつもりです! (2019年5月26日 10時) (レス) id: 0b828016c7 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - にんじんさん» にんじんさん!レス遅れてしまいごめんなさい!ありがとうございます!また子ちゃんは多分私の書く小説で出てくるのは初めてだと思われるので上手く書けているか不安でしたがそう言って頂けて安心です…!また子ちゃんだけではなく総督様にもご注目くだされば幸いです! (2018年2月14日 23時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - また子ちゃんカワイイ! (2018年2月10日 12時) (レス) id: 5460fa1ff4 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 鏡華さん!ありがとうございます!終わってほしくないと言って頂けて感激してます!書き手としてすごく嬉しいです!ずっと暖めていたお話なので展開をうまく開いていけるか不安ではありますが頑張らせて頂きます!高杉さんにそして土方さんの活躍をお楽しみに! (2018年2月9日 19時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
鏡華 - 終わってほしくないです!!高杉さんも関わってきて、続きが気になります!! (2018年2月9日 9時) (レス) id: a16b684fd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/  
作成日時:2018年1月27日 18時

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