SB=2:ツキを持つ者鵺 ページ4
“ツキ野郎”、そう呼ばれた少年は先程から表情は変わらない
ただ、どこかその紅色の瞳の奥からは驚いているように見えた
「“ツキ野郎”……ですか。ちなみに、のほほん脳内お花畑クソカス野郎でもありませんよ?僕は、アラン・ムーンライルです。覚えてくださいよ。」
すると、4人の間を強めの風が駆け抜けた。
少年、否、アランの黒く綺麗な髪が靡いた時、左耳のピアスが姿を現した
白く、三日月の形をしたピアスである。
ほらな!ツキ野郎じゃん!と、風の勢いが治まっときライが声を荒らげた
「ライ君、耳元で大声出さないで下さい!」
「どうしたの?」
声を荒らげたライに、注意をするヒロと心配そうに見つめるミーナ
「“ムーン”ライル、それから“ツキ”のピアス!ツキツキめんどーだな!」
「めんどーって………酷い言われ用だな。全く……
……僕も昔、名前に月が入るし、死んだ親の形見が月のピアスだから不思議に思った事があるんですよ。今では、気になりませんが。」
そう言って、アランは濃い鼠色の曇天を見上げた
「そう、なんですね…じゃ「ちょっと、貴方!!うちの生徒に何してるんですか!」あっ……」
「こんにちは〜先生。何って言われても……ただお喋りしてただけですけど?」
「ハッ、一方的に昔話話してたじゃんかよ。ケッ!」
「コラ、ライ君。口が悪い……はあ、“また”そんな話をしていたんですか。
いい加減にして欲しいですね。子供の教育に悪いです。」
「そんなって、酷いわ。先生……」
「酷くなんてありません。いいですか、こんな変人には関わってはいけません。」
「アランさんは、変人じゃないです!」
「ヒロ君、ミーナちゃん……先生はね、心配したんですよ?
授業が始まっても戻ってこなかったから……」
その言葉を聞いて、黙り込むヒロとミーナ
「ごめんなさい……アランさんまたね」
「申し訳ありません、それではアランさん」
先生に謝罪し学校へと戻っていく2人を横目にライは先生を睨んだ
睨まれている事を知らない先生は、アランにこう告げる
「所詮、昔話……本当かどうか分からないモノを子供に言うなんてどうかしてます。」
「どう「どうかしてんのはアンタだよ」!?ライ君!?」
そう言って走り去るライ
先生は、呆気に取られてしまったが我に返り元来た道を戻って行った
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:傀儡 光 | 作成日時:2020年9月16日 23時