どうせなら # メロ ページ35
【ただ好きだった】続編
「来てたのか」
家のドアを開けると、玄関には白のスニーカーがきちんと揃えられてあった。
黒しかないこの部屋に、一瞬であかりが灯る瞬間。
少し前までは見慣れなかったこの光景が、今じゃ笑えるほどに俺を舞い上がらせる。
「ぁ、おかえりメロ」
「ん。めずらしいな、連絡なしで来んの」
キッチンから顔を出したAが手に玉ねぎを持って、あたりまえのように俺を出迎える。
一緒に暮らしたら毎日こんな感じなのか…、柄にもなくそんな想像をする瞬間。
Aのキーチェーンにこの家の合鍵を勝手に付けたあの日から、かれこれ２ヶ月が経つ。
「ごめんね、いきなり来ちゃって」
「いや、いいけど。なんかあったのか？」
「ううん。メロが "会いに" 来てほしいって、思ってるんじゃないかなぁって」
「……まだ覚えてたのかよ、それ」
「ふふ。ほんとは、わたしが会いたくなっちゃっただけなんだけどね」
ずるいやつ、だ。
俺のことをからかったかと思えば、照れくさそうに本音をこぼす。
そんな横顔が、素直に、愛しいと思った。
後ろからAの腰に腕をまわす。少しだけ強張る体。
やっぱ抱き心地いいな、なんて思いながら肩にアゴをのせれば、Aの顔はさらに赤くなる。
「メロ…？」
「なに作ってんだ？」
「え…えっと、カレー？」
「ふっ、なんで疑問形なんだよ」
「シチューもできるけど……メロはどっちがいい？」
「甘めのクリームシチュー」
わざと耳元で答えると、密着してる体がビクっとしてさらに固まった。
いつまで経っても初めてみたいな反応をするから、からかいがいがあって面白い。
「メ、メロ…」
「ん？」
「そんなにくっつかれたら、作れない…」
「そうだな、困ったな」
「ぜんぜん困ってないでしょ……ほら、もう離れて？」
「……嫌だ」
「え、ちょ、…んっ」
白くてやわらかい首すじに口付ければ、上からくぐもった声が漏れてくる。
少しでも腕をゆるめれば逃げようとするのは、こいつの悪い癖だ。
それにムカついて、Aの体ごとこっちに向かせる。
自然と向き合うこの距離に、視線をさらに泳がせ、恥ずかしさをこらえるように唇を噛む。
その姿が俺を誘ってるって、お前は知らないんだろうな。
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Lに抱かれたい - Ｓっ気Lさんが見たいｯｯｯ (2020年1月2日 20時) (
レス) id: 09090d6677 (このIDを非表示/違反報告)
卯月 - ワイミーズ大好きなので見ていて楽しいです！マットの話もしくはマットとメロの話をリクエストしてもよろしいでしょうか？ (2019年4月14日 20時) (レス) id: b1a88bf701 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 優希美青さん» わぁ〜！お久しぶりです！！！待ってくださってうれしいですっ( ; _ ; )/ (2018年7月29日 20時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
優希美青 - ほあああw久しぶりです！！待ってましたぁぁぁ (2018年7月27日 10時) (レス) id: 41afb63814 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 蓮さん» 蓮さん、長らく長らくお待たせいたしました(>_<)１年かけてようやく書き終えることができました……。待っていてくださり本当にありがとうございます…！ご期待に添えたかどうかはわかりませんが、蓮さんが楽しんでいただけますように…！ (2018年7月13日 16時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2015年11月16日 5時
