ウツボせんせぇ (ページ23)

今日:15 hit、昨日:47 hit、合計:17,793 hit

せんせぇページ23

ハビィside

彼女の噂はずっと

ここ、ロイヤルソードアカデミーでも

毎日と言ってもいいくらい聞くことは多かった

ある生徒は口にする

A・リーチのことを知っているか？と

僕はこの時知らなかった

彼女にはどうやら幸福を呼ぶらしい

そんなわけないだろう、というのが

最初の気持ちだった

だが、皆口々に言うことは

目の色だった

普段は真っ黒な目をしていて

夜になると黄金に輝くんだそうだ

そして、人魚

なんの人魚かは把握してなかった

ジェイド｢ウツボだということは、今初めて…？｣

そう、僕らは彼女がどんな人魚かは知らなかった

ハビィ｢…ウツボだと、長寿ではないようだな！｣

ジェイド｢我々の寿命は一般的です｣

肉を食おうとしても、意味は無い…との事

そして

ヴィル｢彼女を飼っても意味は無いはずよ｣

レオナ｢…｣

ヴィル｢まあ、美しい点では
置いておくのは気分がいいのかしら…
とても綺麗な方だもの｣

レオナ｢…はっ、笑わせる｣

レオナ｢ただの人魚だろ｣

そう、ただの人魚だった

｢…フロイドちゃんや、ジェイドちゃんも
怒った時は瞳の色が光るのよ｣

｢そもそも、暗いところにいれば
見えなくて困るから、そういう点では
目が光って見える…だけじゃないかしら？｣

そうだ、猫も光に当たると瞳孔が細くなるし

タコだって、敵から身を守るために色を変える

｢それに、ウツボは臆病なのよ｣

｢自ら前へ行くわけないじゃない…｣

リリア｢…｣

マレウス｢…｣

2人の空気もそのようだ

｢話はそれだけかしら｣

｢帰りたいのよ、生徒に構ってる暇なんてないもの｣

さ、あなた達も帰りましょと

各々の背中を押す

マレウス｢ひとつ聞きたい｣

ハビィ｢なにかな？｣

マレウス｢最初、｣

マレウス｢…彼女の噂を口にしたものは誰だ？｣

茨の谷か？夕焼けの草原か？それとも

と、彼の口元に手を置いた彼女

｢だめよ、マレウスちゃん｣

マレウス｢…｣

｢怖がらせちゃうでしょ？｣

マレウス｢…僕は｣

｢…｣

マレウス｢…リリア、帰るぞ｣

リリア｢そうじゃな｣

2人は魔法で一瞬にして消えた

レオナ｢…フン｣

フロイド｢帰ろ〜姉ちゃん〜｣

ジェイド｢アズールが待ってます｣

ヴィル｢…先生、帰ったら渡したいものがあります｣

｢あら、新作のかしら？とても楽しみね｣

ハビィ｢…｣

ナイトレイブンカレッジには

お姫様は不要なのではないか？