【完】江口兄が妹と暮らすお話

江口拓也の妹48 ページ48

江口side

江口｢はい、もしも…え？｣

学校に行くと担任の先生と副担任ともう1人先生が居て

泣きじゃくってる男の子と宥めてる母親…そして

無言のAが座っていて


担任｢謝って、Aちゃん｣

｢………｣

江口｢えっと、あの…Aの兄です…｣

担任｢あ、お兄さん…｣

向こうの母親はオロオロしてて


｢………ぐず、｣

江口｢おーどうどう、どうしてのー？｣

｢…、わたしっ、わたし…っ、｣

この時、俺はよく分かってなかった

末っ子のAの学校生活を

_______


担任の先生ではなく、副担任は

どうやらAは一匹狼のようで

クラスでは浮いていて、頭もよく運動も得意で

周りは勝てず、ドッジボールでさえも勝ち続け

鬼ごっこでも、足が早く捕まってしまう子は大泣き

クラスのみんなは加減のできない空気の読めない子認定


早々大人と関わりがあることから、口は達者で

子供相手に容赦ない大人のようで

なんでも1人で勝ち続けてしまう学年の上の子のようだ

との事で、学校の先生たちはすごい子だあ〜と

だけど、子供たちは限界だったようで

クラスメイトの中で6年生の兄を持つ子がお願いし

6年生が居れば勝てると思ったが号泣してしまった

辞めてくれと頼んだが、口で勝てずに終わり

こうして呼んだわけだ…と


江口｢(完全に…梅ちゃん化してるな…これ)｣

梅ちゃんも怒ると言葉で相手を納得させてしまう

それを見て育ったようなもの

7歳にして、天才っ子なAは

6年生を泣かせてしまったんだとか


現在、6年生の担任の先生とAのところの副担と話して

6年生のお母さんに謝られた

江口｢帰ろっか｣

またしても同年の子達と馴染めなかったAは


｢…学校行きたくない…｣

この発言により、不登校になってしまった

クラスメイトの子に千羽鶴を折ってたのに

その子に要らない！とゴミ箱に捨てられてしまったことも


余計、Aの中でどうすれば良かったの？となってしまい

クラス、一致団結が出来なくなってしまっていた

これは担任も頭を悩ませていた事だった


Aは仕事に専念したい、なんて発言してたが

監督に止められてしまっていて

限界で俺の腕の中で泣いている

江口｢(…困ったなあ…)｣

クラスに馴染めない理由が出来すぎてる事だなんて

複雑だなあ…

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