第43話 ページ43
調査開始２日目、この日も資料配りに奔走していた。一度収まった所で昼ごはんも兼ねた休憩タイムと相成った。少しは慣れた気でいたけど、やっぱり疲れるものは疲れる……。
行儀が悪いとは思いつつも頬杖をついて差し入れのサンドイッチを頬張っていれば、難しい顔をしてパソコンと睨めっこをしている獄寺が唸りながら背もたれに勢いよくもたれ掛かった。
ツ「獄寺くん、さっきからどうしたの？」
獄「うーん……やっぱり、引っかかるんすよねぇ……。」
引っかかるって？そう問えば獄寺はツナに向き直って改まったように話し始めた。
獄「奴の話だと、今から約３年後に炎を混合できる匣兵器による事故が多発して製造及び販売、使用が禁止された。つまり、少なくとも３年よりも前にその匣兵器は出回り始めたってことっすよね？」
未来のザンザスを纏めれば、確かにそういう事になるだろう。理解したというように素直に頷けば獄寺はここからが問題だと言うように顔を険しくさせた。
獄「俺たちの知る未来では、１０年後に匣兵器での戦闘が主流になっていましたよね？その時でさえ炎混合の匣兵器はザンザスの持つ匣兵器しかなかった。気になってヴェルデに電話して聞いたんすけど、１０年後の未来の技術なら理論的に制作は可能だったそうです」
何時の間にそんなことしてたの？その事にちょっと驚いたが、そこまで聞いても獄寺の言いたいことが分からなかった。つまり、どういうことなの？
獄「可笑しいと思いませんか？１０年後の技術で漸く制作可能なものを、どうして３年足らずで実用できたのか。」
…あ、なるほど！漸く合点がいって手を打ち合わせる。ツナの知る１０年後では漸く匣兵器が実用されていたのに、未来のザンザスがもたらした情報では炎混合匣兵器は３年もしないうちに使われていたという。普通の匣兵器でさえ１０年かかったのに、言われてみれば確かに不自然だ。
獄「ずっと考えていたんすけど、やっぱり可能性としてあげられるのは………俺たちのように未来の記憶を持つ何者かによる策略か、あるいは情報提供者がいたかと」
未来の記憶を持っていれば匣兵器の基礎知識はあるはずで、だからこそ短期間での実用が可能だったと獄寺は睨んでいるようだった。そんなことまで考えていたなんて、やっぱり頭が良い人は違うなぁ。などと素直に感心してしまう。
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五月雨(プロフ) - 続き気になります！頑張って下さい (2017年2月27日 23時) (
レス) id: 532e1d96ce (このIDを非表示/違反報告)
朧 - 凄い面白いです。続きをまっています。 (2016年2月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 7f70fb0fdf (このIDを非表示/違反報告)
☆ - すごい面白いですっ。更新頑張って下さいっ。 (2015年8月13日 11時) (レス) id: 44695f2e16 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 待ってました！！ ＸＡＮＸＵＳが一体誰のことを話していたのかすっごく気になります！！ これからも楽しみにしてます！ (2015年8月8日 14時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - 待ってました！これからも無理なく頑張ってください！ (2015年8月8日 11時) (レス) id: 2faa68524c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：干支神 | 作成日時：2014年7月13日 13時
