２９ページ:贈物 ページ29
およそ一週間後だろうか。熱は段々下がり、幼稚園にも行ける程体調は回復した。
「…」
しかしこの前から悪夢ばっかり見ている。前世のあの夢。
…まだ笑えていた頃の、あの時の夢だ。
「…？早く食べないと冷めるよ」
私はハッとして朝ごはんの食卓に出ている納豆をご飯と一緒に一口食べた。
…友人の顔にもやが掛かっており、ギリギリ思い出せないようになっているがあまりにも何度も見せられたもので、ついこの前思い出してしまった。
…まあ、私にとっては数年前の記憶なのによくここまで記憶を封印出来たと思う。何せ…
「そういえば、今日は何の日か分かるかい？」
「…？」
保護者が不意に話題を切り出してきたものだから、思考と箸を止めた。
何かの日か…今日は祝日だっただろうか。しかしカレンダーを見ても、至って普通の平日だった。今日は幼稚園は休みらしいが、もしかして私を休ませたのだろうか。もう熱に関しては大丈夫だというのに。
にしても、何の日か…そういえば、
「…ここに来て一ヶ月」
「違うかな…」
違った。
…何だろう。やけににこにことしているから、互いに関することだと思ったのだが。
ああ…もしかして、
「お誕生日…」
「そうそう」
「おめでとう？」
「違う」
また違った。
手をパチパチと叩いてみせると、首を振られた。…何だ。保護者の誕生日では無いのか。だが途中までは合ってたらしく、誕生日と言った時にうんうん、と二回頷いた。
…ああ、ようやく思い出した。前世では違った日だから全く頭に無かったが。
「私の…誕生日？」
「そうだよ。君の叔母さんから聞いたんだ」
なら最初からそう言ってくれないか。
前世の誕生日では冬だった為、今日が誕生日だとは思わなかった。大体半年近く違うからすっかり頭から抜けていた。
だが、それはいいとして…
「はいこれ、プレゼント」
そのプレゼントの袋は一体何だ。しかもどこから今出した。
少し目を離した隙に、保護者は厚めの青い袋を取り出した。…隠せるような大きさでは無かったはずだが、何かトリックでも使ったのだろうか。テーブルの下にあったのなら、私が椅子に座る前に見つけているはずだが。
「何がいいか分からなくてね…」
喜んでくれるといいのだけど。
言われなくても、そんなことを心の中で思ってそうだな。と思いながらプレゼントの袋をじっと見つめた。
「…今、開けてもいいよ？」
私はコクリと頷くと、プレゼントの袋の紐をゆっくりと解いた。
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卵かけご飯の醤油 - みつるさん» ああ、確かに盛者必衰の方が多分内容的に合ってますね。私、てっきり諸行無常も盛者必衰も同じような意味かと思ってて…今ウィキ先生で調べてみました。どうやら意味合いが違うようです…わざわざご報告、ありがとうございます。修正しますね。 (2019年5月29日 19時) (
レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
みつる - 49ページなんですけど…諸行無常ってなんとも言えないという意味だと思います。多分盛者必衰の間違いかと…間違ってなかったらすみません(>_<) (2019年5月29日 18時) (レス) id: d6e134e20f (このIDを非表示/違反報告)
卵かけご飯の醤油 - すすぎさん» そうなんですか…もしよろしければその私の小説と似ているという小説の題名を教えてくれませんか？出来ればその小説と話が被らないようにプロットを書き直すつもりなので… (2019年5月26日 12時) (レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
すすぎ - あまりにも似てるものがあったので..... (2019年5月26日 11時) (レス) id: 28118ed8c0 (このIDを非表示/違反報告)
卵かけご飯の醤油 - ありがとうございます。まさか読みやすいというコメントを貰うとは思っていませんでした…嬉しいです。これからも更新頑張ります。 (2019年5月25日 14時) (レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卵かけご飯の醤油 | 作成日時：2019年5月17日 15時
