２ページ:数値 ページ2
「着いたよ」
優しく揺すられ起こされた。目を開けると大きくそびえ立つマンションがある。
「ああ、家は5階だよ。エレベーターで登ったらすぐ」
内心でふーん程度にしか思わなかった。今私が興味を持っているのはそちらでは無かったからだ。
「…僕の顔に何かついてるかい？」
安室透の顔を見過ぎていたのか、バレてこちらの様子を伺ってきた。
…私は何事も無かったかのように視線を逸らして歩いた。
先程言ったが、私には危機察知能力が高く、その理由は二つのことを何故か数値として見れるからだ。危険度と、私への警戒度。…当然、目の前の安室透だって見れる。
危険度の平均は100くらいだろうか。大の大人の一般人でもそれくらいだった。子供はその半分くらい。ただ、初めて安室透を見た時にバグったのかと疑うような数値だった。
安室透は1000に近かった。いやどんな化け物なの、と普段しないツッコミも心の中で入れてしまうほど、その人は危険らしいと数値が語っていた。
ただ、その半分の数の数値はこの前までよく見ていた。前世の保護者だ。前世で親代わりとなったあの人の数値は400以上と一般人の4倍以上は危険らしいと数値が言っていた。
実は今世の叔母や前世のとある親戚は何故か500を超えている。
前に、警察でもやっているのか、と思い質問をしてみると普通にただちょっと忙しい書類関係のお仕事をしているだけと返ってきた。数値と仕事内容が釣り合わないので思わず数値を疑った。ついに壊れたか、と。
ただ、それ以上の数値を上回ってきた安室透という男はそれ以上に危険度が高い。
初めてその数値を見た時、確か放心してしまった記憶がある。
「ついたよ。今日からここが君の家だ」
歩きながら色々考えていた為現実に集中していなかったが、どうやら部屋に着いたらしい。…ドアの作りからどこか家の警備が固そうだ。鍵穴が二つある。
安室透が鍵で開けて中に入ると、私も後に続くように入った。中は生活感よりも清潔感が目立った。家はとっても片付いている。
安室透は下から運んできた私の荷物を、靴を脱ぐとどこか部屋に入って下ろした。私も着いていくと、そこは一人用の部屋だった。ベッドもある。
「ここが君の部屋だよ。好きに使っていい」
そう言った男の横に、先程言った1000に近い数字と更に2000を超えるような数値が並んでいた。
危険度もそうだが、私が一番気にしているのは1000の数字より2000の数値だ。
これは私への警戒度を数値にしたものだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1197人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
卵かけご飯の醤油 - みつるさん» ああ、確かに盛者必衰の方が多分内容的に合ってますね。私、てっきり諸行無常も盛者必衰も同じような意味かと思ってて…今ウィキ先生で調べてみました。どうやら意味合いが違うようです…わざわざご報告、ありがとうございます。修正しますね。 (2019年5月29日 19時) (
レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
みつる - 49ページなんですけど…諸行無常ってなんとも言えないという意味だと思います。多分盛者必衰の間違いかと…間違ってなかったらすみません(>_<) (2019年5月29日 18時) (レス) id: d6e134e20f (このIDを非表示/違反報告)
卵かけご飯の醤油 - すすぎさん» そうなんですか…もしよろしければその私の小説と似ているという小説の題名を教えてくれませんか？出来ればその小説と話が被らないようにプロットを書き直すつもりなので… (2019年5月26日 12時) (レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
すすぎ - あまりにも似てるものがあったので..... (2019年5月26日 11時) (レス) id: 28118ed8c0 (このIDを非表示/違反報告)
卵かけご飯の醤油 - ありがとうございます。まさか読みやすいというコメントを貰うとは思っていませんでした…嬉しいです。これからも更新頑張ります。 (2019年5月25日 14時) (レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：卵かけご飯の醤油 | 作成日時：2019年5月17日 15時
