何であんたら数値そんなに高いの？【名探偵コナン】

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「…」

私は現実に戻ると、足音の主らしい保護者がいた。何故ここに、という疑問は浮かばなかった。考えるくらいの余裕なんて無くて。

…保護者が階段を駆け上がる音を聞くと、おじさんは引き金を引いた。なら、保護者が原因で？



私は一体何を考えている？

原因は私にある筈だ。止められなかった、この私に。…二人の会話の内容は耳には入らないが、保護者の顔を見ると保護者だってわざとあの人を殺したかった筈じゃない。赤井秀一と名乗った不審者っぽい髪の長い男だって、逆に止めようとしていた。

誰が悪いだなんて無い筈なのに、何故私はそんな“無駄”なことを考えている？

「…っ」

これは、私除く全員は悪くない。事故だ。これは、故意に起こされたものではない。
…もし捕まるというのなら、幇助罪で私が捕まるべきだ。勿論、私は法的には未成年な為捕まえられはしないが。

だがそれを自覚すると、私に罪悪感が襲ってきた。そんな人では無いのに、ヒロに責められたような感覚に陥る。

そんな感覚に私は耐えられなくなり、私は保護者と不審者みたいな人達が会話している間にこっそりと抜け出し…音を立てないように階段を降りた。
今はあの二人と…そして、もう既に息絶えたヒロと顔を合わせたくは無い。

怖かったから。ただその一心で、私は走り続けた。
例え階段を降り切ろうとも、私は走り続けた。もう何も考えていなかった。ただ、本能に近い感情に身体を支配され、私は手足を動かすしか出来なかった。

後ろから、誰かが何かを叫んだ気がする。



私はそれでも走り続けた。もう何も聞こえなくなっていた。

私は体力が切れても、それでも走り続けた。風が目に当たって痛かったが、気にすることはなかった。

私は涙が溢れても、それでも走り続けた。今はそれを止める方法を考えることすら出来なかった。

私は転んで傷が出来ても、それでも走り続けた。それが使命なのだとばかりに、止まらなかった。

私は知らない道だろうと、それでも走り続けた。帰り道なんて頭に無かった。

私は…、







もう、後のことなんて考えていなかった。気付いたら河川敷の草むらの所で倒れていた。…とっても疲れた。無我夢中で走り続けた為、何かを考えるような体力はもう無い。

「…あ、ぁ…」

呼吸をしようとしても、喉からひゅーひゅーといった音しか出ない。声も掠れた。…もう、何かをするような気力もない。

私はまどろみに身を任せ、ぜぇぜぇと息切れを起こしながら目を瞑った。

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